【ポスト・コロナ時代に向けた宿泊施設の取り組み55】ワクチン接種状況の違いによる観光ニーズ調査 北村剛史


北村

北村氏

 デルタ株の蔓延に伴い、新規感染者数が増加する中、緊急事態宣言が拡充されてもいますが、一方で、新たな「武器」となるモノクローナル抗体(抗体カクテル療法)が承認された他、今後も多くの治療薬の治験が進められています。ワクチンと治療薬の両輪が揃うことで、徐々に鎮静化することが期待されます。ここで、サクラクオリティ本部が認証施設向けに定期的に実施している調査結果をご紹介したいと思います。

 緊急事態宣言等が解除され、旅行にいける環境となれば、どれほど観光ニーズが現状あるのかを調査しました。調査では、ワクチンを2回接種した人、1回接種した人、希望しているがまだ接種できていない人、ワクチン接種を希望しない人の4つの市場セグメントに分けて、それぞれの観光ニーズの違いを調べてみました(全国男女200名×4セグメント、800名に対するインターネットアンケート調査、2021年8月、弊会調べ)。

▽観光ニーズ:ワクチン接種が広がることで、観光需要増が期待できる。

 2回接種:「是非行きたい」42.5%、「行きたい」17%、「やや行きたい」11%(合計70.5%)

 1回接種:「是非行きたい」36.5%、「行きたい」21%、「やや行きたい」12%(合計69.5%)

 希望しているが接種できていない:「是非行きたい」28%、「行きたい」23%、「やや行きたい」14.5%(合計65.5%)

 接種を希望しない:「是非行きたい」29.5%、「行きたい」10.5%、「やや行きたい」11%(合計51%)

▽デスティネーション:2回接種者は海外旅行ニーズもみられる。

 2回接種:海外観光21.5%、都市型観光18.3%、リゾート観光(オーシャンリゾート)16.7%、リゾート観光(マウンテンリゾート)9.3%、温泉観光32.5%

 1回接種:海外観光14.1%、都市型観光17.8%、リゾート観光(オーシャンリゾート)18.9%、リゾート観光(マウンテンリゾート)13.1%、温泉観光33.7%

 希望しているが接種できていない:海外観光16.5%、都市型観光19.9%、リゾート観光(オーシャンリゾート)16.5%、リゾート観光(マウンテンリゾート)11%、温泉観光32.4%

 接種を希望しない:海外観光13.3%、都市型観光18.1%、リゾート観光(オーシャンリゾート)19.5%、リゾート観光(マウンテンリゾート)14.6%、温泉観光33.6%

▽感染症対策の継続施設ニーズ:2回接種した人の宿泊施設感染症対策ニーズがやや高い。

 2回接種:「泊まりたいと強く感じる」48.9%、「泊まりたいと感じる」36.2%、「泊まりたいとやや感じる」9.9%(合計95%)

 1回接種:「泊まりたいと強く感じる」41.7%、「泊まりたいと感じる」40.3%、「泊まりたいとやや感じる」7.9%(合計89.9%)

 希望しているが接種できていない:「泊まりたいと強く感じる」35.1%、「泊まりたいと感じる」40.5%、「泊まりたいとやや感じる」13%(合計88.5%)

 接種を希望しない:「泊まりたいと強く感じる」43.1%、「泊まりたいと感じる」34.3%、「泊まりたいとやや感じる」10.8%(合計88.2%)

一般社団法人観光品質認証協会 統括理事
㈱サクラクオリティマネジメント 代表取締役
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士,MAI,CRE,FRICS 北村 剛史

 
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