【データ】男らしさに関する意識調査 電通総研調べ

  • 2021年11月24日

 電通総研は16日、「男らしさに関する意識調査」の結果を発表した。

 株式会社電通グループの社内組織である電通総研(所在地:東京都港区、所長:谷 尚樹)は、2021年8月31日~9月2日に日本在住の18~70歳の男性3,000人を対象に「男らしさに関する意識調査」を実施しました。

本調査は、ジェンダー平等の実現に向けて男性を対象に世界各地で活動を行うNGOのPROMUNDO(プロムンド)※1が2016年に実施した「The Man Box(マン・ボックス)※2」調査を、日本でも実施したものです。日本調査は、プロムンドが実施した調査と同一の質問票を日本語訳したものに加え、日本独自の質問を追加した、約30問で構成しました。

「マン・ボックス」とは、「男性はタフであるべきだ」、「男性は一家の大黒柱であるべきだ」といった、社会で広く受け入れられている、伝統的かつ覇権的な男らしいとされる行動や考え方を意味します。本調査では、男らしさの箱の中に囚われた「マン・ボックスの中にいる男性」(IN)と、男らしさの箱から出てジェンダー平等的な考え方をもつ「マン・ボックスの外にいる」男性(OUT)で、意識や行動にどのような違いがあるかについて分析すると共に、回答者の年代(18~30歳、31~50歳、51~70歳)による意識や行動の差も比較しました。主な結果は以下の通りです。

 

<主なファインディングス>

1. 全世代の男性の約半数が「最近は男性のほうが女性よりも生きづらくなってきている」と感じている

2. 若年男性ほど、「女性活躍を推進するような施策を支持」せず、「フェミニストが嫌い」

3. 若年男性において、男らしさ規範への共感が高いほど、ポジティブ感情もネガティブ感情も強い

4. 若年男性において、男らしさ規範への共感が高いほど、いじめや暴力の被害者にも加害者にもなっている

 

<関西大学・多賀太教授によるコメント>

本調査からは伝統的で覇権的とされる男らしさ規範の両義性が垣間見える。一方で、男らしさに共感する男性は、いじめや暴力の被害者になる割合も加害者になる割合も高く、飲酒でのトラブルや交通事故の経験も多い。他者と男性自身の双方に対する男らしさの有害性がうかがえる。他方、男らしさに共感する男性には、自己評価が高く、感情表現や他人のサポートを厭わないというポジティブな側面も見られた。

女性支援策やフェミニストを否定する割合が若い世代ほど高い傾向は、韓国など海外でも見られる。すでに男性優位社会の恩恵を受けて年長になった男性に比べ、将来の見通しが立ちにくい若い男性の方が、女性支援を男性の疎外と受け止めやすいのではないか。とはいえ、世代を問わず男性の多数派は女性支援策を支持している。

 

※1:プロムンドでは、世界で共通して見られる代表的な男らしさの規範を、7つのテーマ(タフな振る舞い、固定的な性役割、攻撃性と支配など)と17のルールに分類。個々のルールにどの程度共感し、内面化しているかを測定して、スコア化する手法を開発した。本調査でも同じ尺度を用い、「マン・ボックスの中/外にいる」男性を分類している。

 

※2:Heilman, B., Barker, G., and Harrison, A. (2017). The Man Box: A Study on Being a Young Man in the US, UK, and Mexico. Washington, DC and London: Promundo-US and Uniliever.(https://promundoglobal.org/resources/man-box-study-young-man-us-uk-mexico/

 

<調査結果の詳細>

1. 全世代の男性の約半数が「最近は男性のほうが女性よりも生きづらくなってきている」と感じている

「最近は男性のほうが女性よりも生きづらくなってきていると思う」に「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた人の割合は、18~30歳で50.9%、31~50歳で51.3%、51~70歳で51.9%とすべての年代でほぼ半数となった。なお、「まったくそう思わない」と答えた人の割合は、年齢が上がるほど低くなった。

 

2. 若年男性ほど、「女性活躍を推進するような施策を支持」せず、「フェミニストが嫌い」

「女性活躍を推進するような施策を支持する」かどうかを尋ねたところ、「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた人の割合は、すべての年代で過半数を占める。年代別に見ると、51~70歳が78.8%ともっとも高く、18~30歳は62.8%、31~50歳は61.6%という結果となった。また、「フェミニストが嫌い」かどうかを尋ねる質問に、「とてもそう思う」または「そう思う」と答えた人の割合は、18~30歳が42.8%ともっとも高く、31~50歳は39.1%、51~70歳は31.7%と、年齢が上がるほど低くなった。

 

 

 

3. 若年男性において、男らしさ規範への共感が高いほど、ポジティブ感情もネガティブ感情も強い

男らしさ規範を強く内面化し、ジェンダー不平等な価値観をもつ、マン・ボックスの中にいる男性(IN)の方が、マン・ボックスの外にいる男性(OUT)よりも、ポジティブ感情が高い一方で、ネガティブ感情や、「何かをすることに興味や喜びを感じない」という無気力・無関心感も大きいことがわかった。伝統的な男らしさ規範を内面化することには、見返りと代償の両方があることがうかがえる。

 

 

4. 若年男性において、男らしさ規範への共感が高いほど、いじめや暴力の被害者にも加害者にもなっている

マン・ボックスの中にいる男性(IN)の方が、マン・ボックスの外にいる男性(OUT)よりも、リアルとオンラインの両方で、いじめや暴力の被害に遭っている。しかし同時に、いじめや暴力の加害者になったことがある人の割合も高いことがわかった。

 

 

 

上記以外の質問項目や詳細な調査結果については、調査レポートをご覧ください。

下記の電通総研ウェブサイトから無料でダウンロードできます。

URL:https://institute.dentsu.com/articles/2234/

 

<日本調査概要>

タイトル:「男らしさに関する意識調査」

調査手法:インターネット調査

実施主体:電通総研

調査会社:電通マクロミルインサイト

調査時期:2021年8月31日~9月2日

対象条件:18~70歳男性

調査地域:全国

サンプル数:3,000ss


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