業績「伸びる」 6割超に
経営の課題 トップは「人材不足」2位「人材育成」
観光経済新聞社は、日本旅館協会会員などの旅館・ホテルに対する経営アンケート調査を実施した。2022年の業績(見込み)について、「大きく伸びる」または「やや伸びる」という回答は前回1割ほどにすぎなかったものが6割超まで拡大。コロナ禍で大きな影響を受けていた旅館・ホテルの業績が大きく回復していることが分かった。
業績の回答は、「大きく伸びる」「伸びる」「横ばい」「やや落ち込む」「大きく落ち込む」の五つの選択肢から選んでもらった。「大きく伸びる」の回答は前回ゼロだったが14.7%あった。「やや伸びる」は38.1ポイント増の50.0%に。両方を合わせた“伸びる”の回答は前回11.9%から52.8ポイント増となる64.7%へと大きく拡大した。
「横ばい」は3.4ポイント減の12.9%。「やや落ち込む」は10.9ポイント減の12.1%、「大きく落ち込む」は38.6ポイントも減って10.3%となった。
23年の業績見込みについては、「大きく伸びる」が12.1%、「やや伸びる」が54.3%。両回答の合計は66.4%で、微増だが22年よりもさらに回復すると予想される。
経営の課題については、前回に引き続き多肢選択法で聞いた(複数回答)。最も多かったのは、今回も「人材不足・確保」。前回よりも27.8ポイントも増えて88.7%となり、人材不足がより深刻化していることがうかがえる。自由記入形式でのコメントでは「人材不足は募集を出しても集まらない」と嘆きの声も聞こえる。対策として「レストランスタッフが不足している時、食事付きを素泊まりに切り替えて少ない人数でもオペレーションがスムーズになるようにしている」ところもある。
2位には前回4位だった「人材育成」(44.4%、前回比9.1ポイント増)が入っており、人材の課題が経営者の頭を悩ませている。
3位が「売り上げ向上」(37.1%、8.8ポイント減)で、コロナ禍で減少した売り上げを取り戻すことが大きな課題となっている。4位は「施設の老朽化・リニューアル」(35.5%、5.9ポイント減)、5位は「働き方改革」(29.8%、0.5ポイント増)と「経費削減」(29.8%、7.2ポイント増)という結果だった。
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