【データ】宿泊業界の実態調査レポート


 ダイブは9月28日、旅館・ホテル事業者160名を対象に調査した「宿泊業界の実態調査レポート」を発表した。

全国約4000箇所の宿泊施設へ人材派遣・紹介事業を行う株式会社ダイブ(東京都新宿区 代表取締役:庄子 潔 以下、ダイブ)は、「宿泊業界の実態調査レポート」を発表致します。

2022年3月の入国規制緩和から半年、6月からの水際対策の大幅緩和から3か月が経過、また10月11日からは1日の入国人数制限の撤廃と、韓国等の国からのビザ無しでの個人旅行者の受け入れが、9月26日に観光庁から発表されました。国内においても、県を跨いだ旅行の需要喚起施策である「全国旅行支援(全国旅行割)」が同じく10月11日から施行されることが決定し、宿泊業界全体として回復基調が強まっております。

このような中、宿泊業界の課題の一つでもある人手不足に端を発し、観光需要が回復しつつある現状、また今後の期待と不安について、現場の声を収集し、社会に対して課題提起を起こすとともに、業界全体の活性化を目指し、この度、全国47都道府県の組合が参加する全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会に加盟する旅館・ホテル事業者160名を対象に、同連合会と共同で宿泊業界の実態調査を致しました。

■調査結果まとめ

1. 2021年と比較し、国内宿泊客が増加したと回答した事業者は、8割を超えている。

2. 10月11日に開始の「全国旅行支援」や今後予定されている「GoToトラベルキャンペーン再開」について、約1割が不安を感じている一方で約8割が期待していると、前向きな意見が多い。

3. 約9割の旅館・ホテル事業者が人手不足を感じているものの、半数以上が外国人の採用はしていない結果に。

4. 特定技能人材に対する印象としては「人材確保・即戦力」である割合が、半数を超えて最も高い結果となった。

5. 特定技能人材について「よく理解していない」と回答した事業者は、1割未満。多くの宿泊事業者が認知しているにも関わらず、宿泊分野の特定技能人材は全国で160人しか雇用されていない。

 

新型コロナウイルスの影響で低迷基調にあった宿泊業界は、2021年と比較すると8割を超える旅館・ホテル事業者が、国内宿泊客が増加したと回答し、一定の落ち着きを見せているように捉えられる。故に、「全国旅行支援」や「GoToトラベルキャンペーン再開」について期待をしている事業者は約8割と多い結果に。一方で、依然として変わらない人手不足問題に課題を感じる事業者は約9割で、深刻化することが見込まれる。

このような中、外国人人材の採用に関しては、半数以上が採用していないと、外国人人材の雇用が進んでいない現状も。例えば、働き手不足の解消を目的として設立された在留資格「特定技能制度」については、9割以上が理解していると回答しているにも関わらず、設立から3年経過した今でも、現場での活用が積極的に進んでいない可能性があることが見て取れた。

1.国内宿泊客が増加したと回答した事業者は、8割超え

2.約8割が、「全国旅行支援」や「GoToトラベルキャンペーン再開」に期待している
※本調査は10月11日からの全国旅行支援について、観光庁の発表前に実施しております。

3.約9割の旅館・ホテル事業者が人手不足を感じているものの、半数以上が外国人の採用はしていない

4.特定技能人材に対して、「日本人の応募が少なく、人材確保のために採用したい」、「即戦力の人材確保のために採用したい」と捉える旅館・ホテル事業者が最も多い。

5.特定技能人材について「よく理解していない(そもそもよく分からない)」と回答した人は1割未満
9割以上の事業者が特定技能についてある程度、認知していると言える。

参考:宿泊業界の特定技能人材の雇用状況
2022年6月末の入管庁の速報値によると、宿泊業界の特定技能人材の雇用数は160人に留まり、介護や建設などの受入れが進む他分野と比較するとその採用数の少なさが見て取れる。

※出入国在留管理庁「特定技能外国人数 令和4年6月末現在 概要版」より抜粋
https://www.moj.go.jp/isa/content/001378809.pdf

宿泊事業者において、特定技能の認知が9割以上あるにも関わらず、雇用が少ない要因として、以下が考えられる。

①制度の複雑さ、採用と雇用後の支援の多さ
特定技能採用のためには、在留資格の取得手続き、就労後の支援計画の策定等を、事業者側で取り行わなければならず、特定技能人材の支援事業を認められた登録支援機関のサポートなしには雇用が困難。

②他在留資格でのグレーゾーンな採用の多発
「技術、人文知識、国際業務」など、他在留資格で特定技能の業務分野を担う、グレーゾーンな採用が多数あり、特定技能の正しい採用の形が浸透していない。

これらの課題解決のため、積極的な採用支援活動と更なる制度の整備が求められる。

■調査概要
・実施日 :2022年9月9日(金)~9月27日(火)
・回答者数:160名
・調査対象:全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会に加盟する旅館・ホテル事業者
・調査手法:Google formでのアンケート調査
・調査協力:全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会

■全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会 青年部 概要

設立  :1969年
部長  :星永重
所管省庁:厚生労働省
サイト :http://www.yadonet.ne.jp/info/zenryoren.html

全旅連青年部は、未来の宿泊産業を支える人材を育成する目的のため設立された、47都道府県の組合青年部が加盟する全国組織です。経営全般に関する研修をはじめ、情報交換や発信、政治活動などを積極的に行っております。また、全旅連青年部公式YouTubeチャンネルにて宿泊業界で活躍する外国人人材へのインタビュー動画を配信しております。

https://youtu.be/SUEGGAZP4VU


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