
トラベルズー・ジャパンは11月25日、今後の海外旅行意向に関する調査の結果を発表した。
- 海外旅行再開のきっかけは、「自粛ムードが解消されたら」29.0%、希望の国・地域が「観光客を受け入れるようになったら行きたい」50.8%を抑え、帰国後の「隔離期間等の各種措置が緩和されたら」が63.2%で1位
- すでに海外旅行を予定しているメンバーの渡航予定時期は2021年1~9月に集中。なかには「2021年内」も21.8%
- 海外旅行を検討する際の旅の目的について、最も重視するものは「異なる文化やライフスタイルを経験したい」27.8%
- 海外旅行を検討する際の旅のポイントについて、最も重視するものは「歴史的建造物・遺跡などを楽しめる」16.1%
- 今後の海外旅行の1人あたりの予算1位は「100,000~149,999円」23.9%
- 南アフリカへの渡航経験をたずねたところ、渡航経験者はわずか3.9%
- 南アフリカへの渡航意思をたずねたところ、積極的意見は37.5%、消極的意見は30.0%。若年層~ミドル世代では「ぜひ行きたい」「どちらかというと行きたい」が多いところ、年齢層が高くなるにつれ消極的傾向にある
トラベルズーでは2021年10月4日から10月11日の期間、日本国内の読者会員(以下、メンバー)を対象に自社メールマガジンを利用したインターネットリサーチを行い、今後の海外旅行意向を調査しました(有効回答数 1,706、平均年齢57.6歳、男女比率 男性44.9%、女性54.6%)。
<調査背景>年に2回は海外旅行を選択していたメンバー、今の気持ちは?
11月8日、留学や就職、ビジネス目的で日本を訪問する外国人旅行者の入国制限が大幅に緩和されました。業務以外、特に観光目的の出入国制限に関する政府対応や議論が待たれるなかではありますが、一般の旅行者にとって海外旅行はまだまだ現実的ではなく、計画を立てにくい状況にあります。
しかしながら、平均して年に3回は国内旅行を、年に2回は海外旅行に出ていたメンバーにとって、海外旅行の再開見通しは最も気になる話題のひとつであるはず。そこで、今回の調査ではまず今後の海外旅行意向についてたずねました。
■海外旅行再開、障壁は渡航先の受入れ状況よりも“帰国後の隔離”1位
海外旅行再開の意欲について聞くと、1位は「帰国後、日本国内での隔離期間等の各種措置が緩和されたら行きたい」で63.2%。2位の「今行きたいと考えている国・地域が観光客を受け入れるようになったら行きたい」が50.8%、3位は「海外旅行の自粛ムードが解消されたら行きたい」の29.0%と続き、5位には19.6%で「外務省発表の『感染症危険レベル』が1以下に低下、または解除されたら行きたい」がランクイン。
この結果から、渡航先の「感染症危険レベル」や受入れ状況はもちろん気になるものの、帰国後に課せられる隔離期間等の措置が旅行再開の大きな心理的障壁となっている様子がわかりました。「現時点では海外旅行の再開を考えていない」は7.9%に留まり、状況次第では前向きに海外旅行を検討するメンバーが多いことがわかりました。
■海外旅行予定者の21.8%は年内の旅行を計画
Q1で「すでに具体的な海外旅行計画、渡航希望時期がある」と回答したのは229件。この渡航予定のあるメンバーを対象に渡航の予定時期をたずねたところ、僅差ではあるものの1位は「2022年4~6月」で38.4%。2位は「2022年1~3月」37.6%、3位は「2022年7~9月」31.9%と、多くは年始や春休み、ゴールデンウィークや夏休みを含む時期に渡航を検討していることがわかります。また、「2021年内」との回答は21.8%。トラベルズーが配信するメールマガジン「Top 20」が海外旅行情報の紹介を再開したところ、年内の予約が見受けられたこともあり、メンバーの海外旅行意欲が高いことがわかりました。
■旅の目的1位は歴史的建造物&遺跡、男女で異なるポイントも
今後、海外旅行を検討する際の旅の目的について「最も重視する」と「2番目に重視する」項目をたずねたところ、「最も重視する」ことの1位は27.8%を占めた「異なる文化やライフスタイルを経験したい」となりました。2位と3位は僅差で、「ストレスや緊張から解放されたい」21.4%、「新しい場所、異なる場所を経験するため」21.1%が続いています。
次に海外旅行を検討する際の旅のポイントについてたずねると、「最も重視する」ことの1位は「歴史的建造物・遺跡などを楽しめる」で16.1%。回答全体を見ると、2位は15.7%で「現地の食べ物を楽しめる」、3位は14.4%の「自然景観が楽しめる」となりました。回答を男女別でみると、男性の「最も重視する」こと1位は「歴史的建造物・遺跡などを楽しめる」で18.1%、女性の「最も重視する」こと1位は「現地の食べ物を楽しめる」の15.8%となり、全体で3位だった「自然景観が楽しめる」は女性では15.4%で2位に入っています。
Q1で「もともと海外旅行に興味がない」と回答(8件)したメンバーを除き、海外旅行意欲のあるメンバーに今後の海外旅行の1人あたりの予算を聞くと、最多回答は23.9%の「100,000~149,999円」となりました。これ以降には18.3%で「60,000~99,999円」、17.5%の「150,000~199,999円」が続き、全体では10万円以上の回答が7割以上を占めました。また「安近短」にあたるアジアエリアからの海外旅行再開を想定し設置した10万円未満の回答は約26%となっています。
なお、トラベルズーが2021年1月に行った「GoToキャンペーン利用実態調査」で海外の旅行先を調査した際は、ハワイやアジアシティ(主要都市)が人気を集めていました。今回の調査では長距離路線やビジネスクラスの利用を想定した価格帯にも一定の回答が見られたことから、2021年初頭以降の海外旅行へのニーズが変化していく可能性があります。
※参照 GoToキャンペーン利用実態調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000045034.html
■経験者は4%未満、究極の旅好きのみぞ知る南アフリカとは?
海外旅行意欲に関する設問後、今回の調査では南アフリカ共和国について質問しました。
南アフリカへの渡航経験をたずねたところ、旅好きのメンバーでも「行ったことがある」と回答したのはわずか3.9%。「行ったことはない(いつか行ってみたい)」38.3%と「行ったことはない(旅行先として考えたことがない)」57.8%を合わせると、実に96.1%のメンバーにとって南アフリカは“未踏の地”であることがわかりました。このうち、「行ったことがある」と答えた66人に訪れた時期を質問したところ、6割弱は「2013年以前」と回答しており、2014年以降の渡航者を上回りました。
–目的は“新しさ”、ポイントは大自然
南アフリカを訪れたことがあると回答したメンバー66人にさらに質問したところ、同国を訪れた際に重視した旅の目的は「新しい場所、異なる場所を経験するため」が72.7%の圧倒的支持を受け1位。2位には47.0%の「異なる文化やライフスタイルを経験したい」、3位は36.4%で「冒険心を満たしたい」が入り、南アフリカには「新しさ」「日本を含むアジアや一般的な欧米エリアとは異なる体験」「冒険」を求めて旅したことが浮き彫りとなりました。また、同国を訪れた際に重視した旅のポイントを聞くと、こちらも2位の「観光名所が豊富にある」13.6%に大差をつけ、「自然景観が楽しめる」が51.5%で断トツ。この結果は南アフリカを象徴する喜望峰やテーブルマウンテン、野生動物が暮らすサファリのイメージとも一致しており、納得の結果となりました。
メンバー全員を対象に、今後の南アフリカへの渡航意思をたずねると、「ぜひ行きたい」10.0%と「どちらかというと行きたい」27.5%を合わせた積極的意見は37.5%。「どちらかというと行きたくない」19.1%と「行きたくない」10.9%を合わせた消極的意見は30.0%となり、メンバー全体では積極的意見が上回る結果に。年代別にみると、10~50代では積極的意見が消極的意見を上回る一方、60代では「どちらでもない」、70代では消極的意見が上回り、渡航意思は年代によって異なりました。
–旅好きへの認知拡大はブルーオーシャン? 既存イメージvsもやもや
積極的意見の理由を見ると、「野生動物に会いたい」「未知の国だから」「まだ行ったことがない国なので興味がある」「自然を楽しみたい」という声が多く、消極的意見では「日本から遠い」「観光イメージがない」「安全性(治安)」などの不安が寄せられました。なかには、南アフリカに関する情報が少なく、どのような国で、どのような楽しみ方があるのか知らない、わからないという戸惑いも見受けられました。観光や国際イベントの開催地、クルーズの寄港地として徐々に認知が高まりつつあるとはいえ、今後も魅力に溢れる南アフリカをメンバーに伝えていく余地が多いにあることは良い発見となりました。