【データ】中学校 国内修学旅行の実態とまとめ 日本修学旅行協会調べ


重点を置いた活動ー遺跡、史跡、文化財、寺社の見学

 日本修学旅行協会(竹内秀一理事長)は、中学校、高等学校が実施する修学旅行の実態をまとめた「教育旅行年報 データブック2017」を昨年12月に発行した。ここでは同書の調査データ「国内修学旅行の実態とまとめ(中学校)」から「旅行内容」の項目を抜粋して紹介する。

修学旅行で重点を置いた活動

 今回の調査結果においても旅行先の第1位は京都府であり、その結果、「遺跡、史跡、文化財、寺社などの見学」が連続第1位となっている=図表1。前回の26.2%から今回は27.1%と増加した。

 10位までの内容は前回調査と同じ内容になった。

 「平和学習」は、前回2位で9.5%、198件が、今回3位で9.5%、220件となり、順位は下がったが件数は増えた。また、「伝統的町並みや建造物群保存地区の見学」は前回3位で9.5%、197件が、今回2位で10.2%、235件となり、0.7ポイントの増加になった。

 「博物館などの見学」が前回8位から5位に上がった。全体的には大きな変動はなかった。

 図表1の修学旅行で重点を置いた活動や目的が何であったかを割合に表した「修学旅行で重点を置いた活動(分類別)の件数」として図表2に示した。

 その中で、「史跡、町並み、産業遺産・博物館などの見学」などの歴史学習に重点を置くものが45.8%(前回調査43.8%)と毎年1位を占めている。「ミュージカル、演劇、歌舞伎、文楽、能楽などの鑑賞」や「伝統文化、伝統芸能や祭り体験」「美術館などの見学」「コンサート、音楽の鑑賞」などの芸術鑑賞・体験が11.5%(同10.7%)、「平和学習」が9.5%(同9.5%)、「伝統工芸」や「料理・食品加工」などのもの作りが6.8%(同8.2%)となった。また、「職場訪問、職場体験」「販売・商業体験」などのキャリア体験が4.9%(同6.5%)、「宗教体験(座禅、法話、写経など)」は4.5%(同5.3%)、野外活動、環境学習などの自然・環境学習の分野が4.3%(同4.2%)、スポーツ体験が3.7%(同3.6%)となった。

旅行先について

 カウント方法は、滞在時間に関係なく、例えば滞在が半日であっても、2日であっても、初日と3日目であっても、行った旅行先を「1」としている。

 その中で、今回調査で上位については大きな変動は見られない=図表3。7位までは前回調査と同じ順位になった。大きな変動として、岩手が前回18位から今回14位、滋賀が前回20位から今回17位、秋田が前回28位から今回18位、青森が前回24位から今回20位に上がったことがあげられる。

 一方、震災の影響があったものの熊本は前回12位から今回16位と健闘した。

宿泊地・宿泊形態について

 宿泊地については、第1位から10位までの大きな変動は見られなかった=図表4。

 次に構成比率を見てみると、1位の京都府は前回32.4%で今回は33.6%と少し上がり、2位の東京都は前回15.2%で今回は12.5%と下がっている。

 北海道は前回7位で3.4%から、今回5位で4.6%と上がった。

 宿泊形態については、前回と今回の構成比率を比較すると、ホテル形態は前回57.0%が今回54.2%で少し下がり、日本旅館形態は前回35.6%が今回35.7%と少し上がった=図表5。

 農山漁村民泊は、前回の3.7%から今回は4.9%とこれまでの最高値となった。

 往路または、復路の移動手段で船舶を活用した学校のほとんどは、船中泊を伴っている。

見学先について

 〇〇市内などは集計せず、施設名が書かれている見学先のみを集計した。

 奈良公園が1位、清水寺が2位、金閣寺(前回4位→今回3位)、法隆寺(5位→4位)、二条城(10位→7位)、銀閣寺(9位→8位)、北野天満宮(12位→9位)、USJ(13位→10位)、竜安寺(18位→17位)と順位を上げ、東京ディズニーリゾート(3位→5位)、東京スカイツリー(7位→12位)、浅草(8位→13位)、伏見稲荷(14位→15位)、興福寺(17位→18位)と順位を下げた=図表6。

 また200件を超えているのは奈良公園、清水寺、金閣寺、法隆寺であり、150件を超えているのは東京ディズニーリゾート、国会議事堂である。

 以上のように全国的に著名な寺社・文化財、娯楽施設などが見学先の中心となっている。

 今回の順位は多少の変動があったものの、ほぼ昨年と同様の結果であった。

 地域別見学先ベスト3=図表7=をみると、今回ベスト3からもれた見学先は、北海道では前回3位の劇団四季、東北では前回2位の康楽館、3位の小岩井農場、中部では前回2位の志賀高原、四国では前回1位の中野うどん学校、九州では3位のグリーンランド、沖縄では前回2位の壕、3位の首里城である。関東、近畿、中国は前回と同じであった。

 北海道の小樽、東北の盛岡手作り村・毛越寺、中部の高山市、四国の松山市、九州のグラバー園、沖縄のひめゆりの塔、国際通りが新たにベスト3に入った。

 中国では広島平和記念公園(原爆資料館などを含む)、九州では長崎平和公園(原爆資料館などを含む)、沖縄では沖縄平和祈念公園が1位であった。平和学習が積極的に進められていることがうかがえる。


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