J.D. パワー ジャパンは4月27日、「テレワーク下におけるWEB会議利用に関する日米調査」の結果を発表した。
顧客満足度(CS)調査や消費者動向に関するリサーチ・コンサルティング会社である株式会社J.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、米国本社と共同で、日米におけるWEB会議システムに関する消費者調査を実施しました。その調査結果を発表いたします。
新型コロナウィルスの感染拡大や緊急事態宣言の発令をうけ、現在、多くの企業において在宅勤務を中心としたテレワークが行われています。そこで、J.D. パワーでは、日本とアメリカでのWEB会議システムの利用状況や利用者の評価などを調べ、二ヵ国の調査結果を比較しました。
以下が調査結果となります。本調査結果を是非ご活用いただけますと幸いです。
= 調査概要 =
【日本】
■調査方法 :インターネット調査
■調査期間 :2020年4月17日~4月20日
■対象者 :1週間以内に仕事でWEB会議システムを利用した男女 477名
【アメリカ】
■調査方法 :インターネット調査
■調査期間 :2020年4月8日~4月9日
■対象者 :1週間以内に仕事でWEB会議システムを利用した男女 1,223名
※本リリース内容の転載にあたりましては、出典として「J.D. パワー調べ」という表記をお使い頂けますようお願い申し上げます。
TOPICS①:仕事で利用されているWEB会議システムについて |
テレワークやリモート会議で最も利用されているWEB会議システム、
アメリカではZoomの一強
日本ではマイクロソフトとZoomの2強構造
日本では①Zoom(30%)、②Skype(25%)、③MS Teams(16%)という結果に。
「Skype」と「MS Teams」はいずれもマイクロソフト社が提供するWEB会議システムで、二つを合わせると41%と最も多く、Zoom社がこれに続いています。
一方で、アメリカでは「Zoom」の利用率が48%と他と比べて突出して高く、マイクロソフト社が提供する「Skype」及び「MS Teams」を合わせた計21%に、大きく差をつけています。
TOPICS②:WEB会議の利用端末について |
最も多いWEB会議への接続端末は日本もアメリカも「パソコン」
音声デバイスは内蔵のマイク・スピーカーの利用が多く、ヘッドセット利用は少数派
WEB会議への接続端末は、日本もアメリカも「パソコン」が最も多く、日本が67%、アメリカが74%という結果でした。次いで、スマートフォン、タブレットという結果になりました。
マイク・スピーカーデバイスについては、日米ともに「ヘッドセット」の利用は25%程度に留まり、パソコンやスマホ等の端末本体の「内蔵マイク・スピーカー」を利用するユーザーが最も多く、日本が60%、アメリカが70%という結果でした。
TOPICS③:会議接続や各機能利用の難しさについて |
会議接続や各機能の使用について、「難しかった」という回答は日本のほうが多い
使い慣れているアメリカ人、まだ不慣れな日本人という構図
WEB会議への参加接続の難しさについて尋ねたところ、難しかったとの回答は日本では23%(「とても難しかった」、「やや難しかった」の合計)、対するアメリカでは9%でした(「とても難しかった」1%、「やや難しかった」8%)。また、搭載機能(音声ミュート、画面共有等)の操作については、難しかったとの回答は20%(「とても難しかった」、「やや難しかった」の合計)、対するアメリカでは6%でした。
WEB会議システムを使い慣れているアメリカ人、不慣れな日本人といった印象です。日米におけるユーザーのWEB会議操作に対する「慣れ」の違いが浮かび上がりました。
日本では約6割が、国内でのコロナ流行報道が目立ち始めた
2月以降からWEB会議の業務利用を開始
日本の調査では、いつからWEB会議をよく利用するようになったかについても尋ねました。
結果は、約6割(61%)が今年2月以降からという回答でした。
日本国内では1月下旬以降、IT企業を中心に在宅勤務がとられはじめ、2月始めには横浜港に寄港したクルーズ船内での感染が報道され始めました。それ以降、徐々に様々な業種の企業で在宅勤務が広がりつつあります。
この結果は、今回の新型コロナウィルス感染拡大をきっかけに、WEB会議を本格的に利用し始めたユーザーが多いこと、そして今まであまり馴染みのなかったWEB会議システムの接続や機能操作にまだ難しさを感じているユーザーが多いことを示しています。
TOPICS④:WEB会議利用中の問題・不具合について |
日本では「音声が聞き取りにくい」といった音声品質に対する指摘の多さが顕著
WEB会議システム利用中の問題・不具合の経験については、日本では「音声が聞き取りにくい」が29%と最も多く挙がりました。続いて、「途中、接続が切れる」(19%)、「画面共有が遅延する・遅れる」(16%)、「音声が聞こえない/こちらの声が届かない」(14%)となっています。
アメリカと比較すると、日本では音声品質に関する指摘が多いという特徴が見られました。
TOPICS⑤:今後のテレワーク制度やWEB会議の利用意向について |
8割のテレワーカーがコロナ収束後もテレワーク制度継続に肯定的
6割超が今後、社内会議はWEB会議でもよいと回答
今後のテレワーク制度やWEB会議システムの利用意向について確認したところ、約8割が『コロナウィルスが収束した後も、テレワークや在宅勤務という働き方はあってもよい』と回答しており、大多数が事態が収束し普段通りの生活が戻った後でも、テレワーク制度の継続に肯定的であることがわかりました。
また、約6割が『今後、社内会議はWEB会議でも問題ない』と回答しており、働き方や会議スタイルに対する意識変化が見られます。