【データ】サステナブル・ツーリズムに関する消費者調査2022 Trip.com調べ


 トリップドットコムグループは3日、サステナブル・ツーリズムに関する消費者調査2022を発表した。

 

*旅行者の10人に8人が、持続可能な観光の重要性を認識

*新型コロナウイルス感染の拡大が、人々の持続可能な観光に対する考え方に大きく影響

*旅行者の67.7%は、持続可能なオプションへの出費に肯定的

 

グローバル旅行サービスプロバイダーであるTrip.com Groupは3日、毎年恒例の9月27日の世界観光の日を記念して、初の「持続可能な観光に関する消費者調査2022」を発表いたしました。

 

本報告書では、持続可能な観光の受け入れが促進されていること、また旅行業界、さらには業界を超えた世界への影響を明らかにしています。

 

世界中の旅行者は、コンセプトや実践としての持続可能な観光について、以前は多少考慮する程度のものでした。しかし、現在では旅行者の意思決定プロセスにおいて非常に重要な物差しとなり、旅行者の10人中約8人(78.7%) がその重要性を認識しています。

 

受け入れが進む持続可能な観光

 

本報告書では、アジアとヨーロッパの11カ国の市場で7,705名の回答者を対象とした調査に基づき、旅行者が持続可能な観光により関心を寄せている理由の上位に、旅行が及ぼす影響があることを明らかにしています。

回答者の約50.5%が「旅行が与える将来の世代への影響に関心がある」と回答しました。回答者の3分の1(26.8%)は「旅行体験を向上させる上で必要である」と回答し、13.2%はそれが「トレンドである」と認識、8.4%は「社会的な圧力により持続可能な観光を選択した」との回答でした。

 


持続可能な観光に対する認識も、回答者によって異なります。本報告書では、通常の環境配慮に加えて、経済、文化、生物多様性の側面を強調しつつ、より広範な事項を考慮して「持続可能な観光」を考える旅行者の割合が増加していることを示しています。

 

持続可能な観光に対するより多様な理解は、旅行者が観光地への支援と考えるいくつかの方法を通して現れています。回答者の約30%が、地元のビジネスと生活を支援するメリットを認識しています。さらに、回答者の43%が、地元の文化と遺産を尊重することも持続可能な観光の一部であると考えているのも印象的です。

 

持続可能な観光に対する意識の高まり

 

新型コロナウイルス感染症は、「持続可能な観光をしたい」という旅行者の意識の高まりにつながっているように、消費者の考え方と行動に変化をもたらしました。

本報告書では、回答者の3分の2以上(67.8%)が、「新型コロナウイルス感染症の拡大がきっかけとなり、持続可能なオプションを選択する意識が高まった」と回答していることを明らかにしています。約38.3%は「旅行制限によって、自然に対する感謝の気持ちが高まった」と答え、30.4%が「近場で旅行をしたいと感じている」との回答でした。新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの旅行者が短距離旅行をするようになり、それがCO2排出量の削減(カーボン・オフセット)へ影響があるのかを認識しています。

 

この報告書の要点の1つは、アジアとヨーロッパの旅行者が持続可能な観光をどのように理解し、実践しているかを垣間見ることができることです。

特に、ヨーロッパを拠点とする回答者の21.3%が、人々が持続可能な観光を選ぶのは「トレンドだから」と述べているのに対し、アジアの旅行者でこの同様の見方をした割合は7.1%とはるかに少なくなっています。

 

また、持続可能なオプションに対して、より高額な出費をすることに対する考えも異なり、ヨーロッパの旅行者の39.1%が追加料金の支払いに消極的であるのに対し、アジアの旅行者では29.5%でした。

 

本報告書で明らかになったのは、地域差はあるものの、持続可能な観光をさまざまな形で実践する人が増えていることです。

 

サステナビリティへの意識が高まる中、回答者の半数以上(59.2%)が、旅行が与える影響を減らすためにCO2排出量の削減に費用を支払う傾向を示しています。

 

オンライン旅行会社(OTA)にとって重要な市場機会

 

持続可能な観光の人気が急上昇している中、持続可能な観光に対する障害を報告しなかった回答者はわずか20%で、残りの回答者はさまざまな困難な出来事に遭遇したという結果となりました。

 

持続可能な観光オプションが十分に人々に認知されていないことが、普及を阻む大きな要因となっています。旅行者はサステナブルな旅行商品に関する情報を入手しにくいことを理由に挙げており、32.9%が「サステナブルなオプションがない」、25.4%が「オプションが明確に表示されていない」と回答しています。

 

その結果、「OTAは持続可能な観光オプションを明確に表示すべき」(50.7%)、「OTAに持続可能な観光オプションを見つけやすくするよう求める」(41.5%)、「OTAがインセンティブを提供すべき」(39.4%)と半数以上が回答しています。

 


67.7%の旅行者が持続可能な観光オプションのために費用をさらに払うことに前向きである一方、持続可能な観光 オプションの選択において総費用の10%以上を支払うことに前向きな旅行者は約10%と、より高い費用に対する 感度はさまざまであることがわかりました。

 

 

このような背景から、OTAや予約プラットフォームは、持続可能な観光オプションの提供業績を示すことや、同じ考えを持つユーザーに支持されることで、この傾向を大いに活用できる機会を得ています。本報告書では、回答者の93.0%が、持続可能な観光オプションを提供するOTA経由で予約を検討すると回答しています。

 

Trip.com Groupの最高経営責任者(以下、CEO) Jane Sun(ジェーン・スン)は次のように述べています。「当社の報告書の結果は、旅行者をよりよく理解し、信頼できる持続可能な観光オプションをより多く、より多様に旅行者へ提供するという当社のビジョンを再確認させるものです。私たちと旅行業界の仲間に向けた明確なメッセージです。」

 

「将来的には、パートナー、旅行者、その他のステークホルダーと協力し、より持続可能な世界を目指し、取り組んでまいります。」

 

「持続可能な観光に関する消費者調査2022」を閲覧およびダウンロードはこちら

https://mma.prnewswire.com/media/1912571/JP_Sustainable_Travel_Consumer_Report_2022.pdf


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