【データ】コロナ禍で起きた消費者行動変化調査

  • 2020年5月13日

 ヴァリューズは4月30日、「コロナ禍で起きた消費者行動変化調査」の結果を発表した。

◆休校、外出自粛要請、志村けんさんの死去などが変化点に
◆仕事や雇用、融資への不安から地方自治体やハローワークのサイトが急上昇
◆マスク品薄で手作りマスク関連商品、テレワーク増加でPCヘッドセットの需要急増
インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛やテレワークなど、人々のライフスタイルが大きく様変わりする中、消費者の行動や意識にはどのような変化が起きているのか、Webやアプリの行動ログから、日別の推移、商品ジャンルの閲覧伸び率などを通じて、変化の実態を緊急調査しました。

【調査・分析概要】
株式会社ヴァリューズが保有する国内モニターパネル(20歳以上男女)のネット行動ログから、2020年1月10日~4月14日のデータを抽出し、新型コロナウイルスの感染が拡大した2月1日~4月14日の期間で分析しました。
※対象デバイスはPC・スマートフォン
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※アプリのユーザー数は、Androidスマートフォンでの起動を集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。アプリのカテゴリはGoogle Playのアプリカテゴリより取得。メール、Google Chrome、YouTube、Googleマップ、Gmailなどプリインストールアプリは対象外とする。

 

◆ 休校、外出自粛要請、志村けんさんの死去などが変化点に
国内では、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」乗客で初めて新型コロナウイルスへの感染が確認されたのが2020年2月1日。その後4月中旬までの期間で、国内の主要Webサイト全体のUU数を調査し『どこでトレンドが変化したのか?』を分析しました。その結果、Webサイトでの主な変化点(日別UUのトレンドが大きく変わったタイミング)は下図のようになっており、新型コロナウイルスに関連する出来事が強く影響している様子がうかがえました。

変化点別サイト数の推移 ※2020年2月1日~4月14日変化点別サイト数の推移 ※2020年2月1日~4月14日

【変化点前後の主な出来事】
・2月24日(月)
「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が開催され、「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解が示され、翌25日の政府による新型コロナウイルス感染症対策の基本方針発表につながった。

・2月27日(木)
安倍首相より全国の小中高へ臨時休校を要請。翌28日は北海道知事が緊急事態宣言、週末の外出自粛を要請。東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど大型テーマパークも休園を発表した。

・3月27日(金)
3月25日に都知事が在宅勤務や不要不急の外出自粛を要請。それを受けて、東京近郊で週末の外出自粛が要請された。

・3月31日(火)
3月30日、新型コロナウイルス感染が発表されていたタレントの志村けんさんの死去が報道された。翌31日には国内で1日の新規感染者数が200名、累計感染者が2000人を突破。

・4月12日(日)
4月7日に東京など7都道府県に緊急事態宣言が出された後、初の週末を迎え、商店街などの様子が多く報道された。

◆ コロナ禍でも利用者が伸びているWebサイト、アプリとは
新型コロナウイルスの感染が急速に拡大した2020年2月~4月中旬で、どのようなWebサイト、アプリの利用者が伸びたのでしょうか。株式会社ヴァリューズが保有するモニターパネルの消費者ネット行動ログから調査しました。

<ハローワーク、地方自治体サイト、テレワークでZoomの需要が急増>
下図は、ユーザー数の増減率を示す増減スコアをもとに、利用者が伸びているWebサイトをランキングにしたものです。1位に「ハローワーク (公共職業安定所)」、7位に「日本政策金融公庫」が入り、仕事や雇用、融資への不安が読み取れます。
また、福岡、北海道、滋賀、兵庫、大阪など各地方自治体サイトが多数ランクイン。都道府県ごとに感染状況や対応策、支援内容が異なるため、住んでいる地域の信頼できる情報への需要の高まりが示唆されていると考えられます。

ユーザー数が伸びているタイミングに着目してみると、特徴的な動きを示していたのは11位にランクインした、テレワークに役立つWeb会議ツールの「Zoom」。4月に入ってから利用者が急増しています。在宅勤務やテレワークが広がっている様子がうかがえます。

「zoom」サイトの増減推移「zoom」サイトの増減推移

<アプリは速報ニュース、Uber Eatsの他に、ショッピングSNSも利用者が増加>
一方で、アプリを同様に増減スコアでランキングしてみると、Webサイトとは異なる傾向が出ていました。
速報ニュースをはじめ、フードデリバリーの「Uber Eats」、イトーヨーカドーのネットスーパーなどが利用できる「オムニ7アプリ」、ファッションEC「UNITED ARROWS」の公式アプリや、楽天のショッピングSNS「ROOM」など、在宅時間で効率よく情報を入手し、かつ外出はできなくとも食生活や買い物は楽しみたいという消費者意識が垣間見える結果となりました。
アプリの場合、自ら能動的にインストールし、起動して利用することから、ポジティブな消費意欲が表れやすいのかもしれません。
1位の速報ニュースアプリ「NewsDigest」は、新型コロナウイルスの「感染事例が報告された場所の情報」マップを4月上旬に提供開始し、話題となりました。

8位の「Uber Eats」はフードデリバリーサービスとして2016年9月に国内で提供開始後、着実にユーザー数を伸ばしてきましたが、2020年3月にはTVCM「今夜、私が頂くのは」シリーズの新バージョンが女優の黒柳徹子さんと小松菜奈さんを起用し公開され、認知度アップに勢いが増しています。外出自粛と在宅勤務が広がった4月以降は、より一層、アプリ利用者が伸長しています。

「Uber Eats」アプリの増減推移「Uber Eats」アプリの増減推移

14位のファッションECの「UNITED ARROWS LTD. 公式アプリ」は、4月上旬、7都府県に緊急事態宣言が出され、外出自粛要請が強化された後の週末に、ユーザー数が急増していました。

「UNITED ARROWS LTD. 公式」アプリの増減推移「UNITED ARROWS LTD. 公式」アプリの増減推移

◆ コロナ影響で閲覧が伸びている商品は?
続いて、大手ECモールにおける商品ジャンルの閲覧数の伸びから消費者ニーズを捉えてみます。
下図は2020年2月1日~4月14日までに閲覧数の伸び率の高かった商品ジャンルです。使い捨てマスクが一般では入手困難な状況から「マスクフィルター」が上位にきており、「裁縫材料>ゴム」など手作りマスクのための手芸用品を買い求めるニーズも見られます。
テレワークのWeb会議で便利な「PC用ヘッドセット」や、外出自粛の影響で家で過ごす時間が長くなったことから、「アロマ」グッズや、家庭で美味しい飲料水を生成できる「整水器」など、少しでも在宅生活を快適に心地よく過ごしたいという消費者心理もうかがえます。

大手ECモールにおける商品ジャンル毎の閲覧伸び率ランキング ※2020年2月1日~4月14日大手ECモールにおける商品ジャンル毎の閲覧伸び率ランキング ※2020年2月1日~4月14日

刻々と状況が変化する新型コロナウイルスの感染拡大。2月~3月はマスク・消毒液など感染対策商品への需要急増が見られましたが、4月になると、テレワークを円滑に進めるためのツールや、余暇や在宅での生活を楽しむための商品・サービスに消費者の関心が広がっていることが、今回の調査結果から明らかになりました。

東京都では今年のゴールデンウィークを「STAY HOME週間」と命名し、ポータルサイトも開設。「うちで過ごす」「家を楽しむ」ための動画特集なども用意されています。『巣ごもり消費』が長期にわたることが予測される中、消費者のニーズがどのように変わっていくのか、ヴァリューズでは今後も調査を継続していきます。


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