【データ】キャッシュレス決済のセキュリティに関する調査結果 アメリカン・エキスプレス調べ

  • 2021年10月25日

 アメリカンエキスプレスは22日、キャッシュレス決済のセキュリティに関する調査の結果を発表した。

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.(東京都港区、日本社長:吉本浩之、以下:アメリカン・エキスプレス)は、「キャッシュレス決済利用に関するセキュリティ意識調査」を実施いたしました。

近年、キャッシュレス決済の利用が増加する一方、不正利用被害につながるリスクも増えています。今回の調査の結果からは、過去になんらかのトラブルを経験した人*1が、6人に1人と決して少なくない割合でいる中、キャッシュレス決済の選択基準は引き続き年会費やポイント重視の傾向が高く、7割以上がセキュリティ*2への不安を抱えながらも6割以上がお得感でカード選びをしている実体が明らかになりました。

今回の主な調査結果と、調査結果に対する専門家からのコメントは以下の通りです。

 

*1:実際に被害に至らなかったが、不正利用につながる何らかのトラブルを経験した人も含む。以下同様

*2:ここでいう「セキュリティ」とは、「不正利用の事前防止体制」と「不正利用にあった際の、対応や補償」を指します

 

調査結果のポイント

■キャッシュレス決済の利用機会が増加する中、フィッシングメールも増加傾向。

■キャッシュレス決済のセキュリティに7割が不安。安心な方法を知りたいと回答した人は8割

■お得感でキャッシュレス決済手段を選ぶ傾向に。6割以上が年会費の安さやポイントを重視する一方、カードについて、万が一の不正利用を考え選ぶ人は2割以下。

■不正利用につながるトラブルを経験した人は15.8%。約6人に1人が経験という結果に。

■被害はお金にとどまらない!トラブル経験者の8割以上が、再発行などの手続きストレスを実感。

■セキュリティ対応の充実ぶりで、経験者の約6割がポジティブな気持ちに。一方で、決済サービス会社ごとの対応の違いを約6割が理解していない。

 

Interview

セキュリティ対応、充実した補償が受けられるサービスを選択することが今後は重要

キャッシュレス決済の利用増加に伴い、消費者が不正被害などのトラブルに巻き込まれる事例も出ています。

今後は、利用が多い場合や安心してキャッシュレス生活を楽しみたいと考える消費者は費用を負担してもより充実した補償が受けられるサービスを選択することが重要です。

 

山本正行氏

山本国際コンサルタンツ合同会社

代表/明治学院大学法学部講師

 

アメリカン・エキスプレスのセキュリティへの取り組み

グローバルな知見と最新技術を駆使した高度なセキュリティ管理、

万が一の不正利用発覚時にも、充実したプロテクションサービスを用意

近年、国境を越えてグローバル規模で活動する組織的サイバー犯罪も増加しています。 アメリカン・エキスプレスは最新のデジタル脅威に対処する能力を高めるため、継続的な投資を図り、不正の識別および防止のためのサポート体制を強化しています。

 

アメリカン・エキスプレス「キャッシュレス決済のセキュリティ」調査結果ハイライト

 

Part. 1 キャッシュレス利用の増加とともに、高まる不正利用のリスク

■キャッシュレス決済の利用機会が増加する中、フィッシングメールも増加傾向。 ECでのショッピングが増えた人の約3割がフィッシングメールの増加を実感。

2018年、日本政府は「キャッシュレスビジョン」を発表し、キャッシュレス決済比率40%の目標に向けキャッシュレス社会への移行を強く後押ししています。さらに、新型コロナウイルス禍で現金による接触を回避する傾向も追い風となり、キャッシュレス決済が普及の兆しを見せています。本調査においても、コロナ禍以降(2020年3月以降)のキャッシュレス決済の利用状況を尋ねたところ、利用頻度、利用金額ともに、約6割の人が「増えた」と回答しました。

 

 

キャッシュレス決済が広がりを見せる一方で、不正利用のリスクも高まっています。中でもメールの送信者を詐称した不正なメール(いわゆるフィッシングメール)は、クレジットカード番号やIDやパスワードなどのアカウント情報を盗み出し、不正利用につながる恐れがあります。

フィッシング対策協議会のレポートによると、2020年のフィッシング情報の届け出件数は前年比較で約4倍に*1 、2021年も引き続き増加傾向が続いていますが*2、本調査でも「直近1年でフィッシングメールが増えた」と回答した人は、約2割(18.9%)に及びました。

さらに、フィッシング協議会の報告では、金融機関やECサイトのなりすまし送信が多い*1と報告されていますが、本調査においても、ECモールやメーカー等の自社サイト(D to Cサイト)でのショッピングが増えたと回答した人では、約3割がフィッシングメールが増えたと回答し、その割合は全体平均と比べ、約1.5~1.6倍となっています。

*1:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート 2021 *2:フィッシング対策協議会「フィッシング報告状況月次報告書」より算出

 

 

 

 

不正メールを受信したことがあると回答した人に、なぜ不正メールと気づいたかを聞いたところ、最も多い回答が、「メールのタイトルに身に覚えがなかったため」(58.5%)でした。次いで、「メールの文章の日本語がおかしかったため」(54.7%)となり、メールのタイトルや文章から不信に感じる人が多い傾向にありました。

 

 

 

 

Part. 2 セキュリティ不安意識は強いものの、お得感でカードを選ぶ傾向に

 

■セキュリティに不安を持つ人は7割以上、30代・40代の女性は8割以上に。

ネット詐欺のニュースが流れることも多い中、キャッシュレス決済サービス会社が提供する不正利用の事前防止体制や被害に遭遇した際の対応や補償といったサービスのセキュリティに不安を抱く人は少なくありません。

キャッシュレス決済サービス会社のセキュリティに「不安がある(とても不安+やや不安)」と回答した人は、全体の7割以上(72.0%)に及びます。さらに、「セキュリティ上最も安全な決済方法を知りたいか」と尋ねたところ、8割以上(82.9%)が「知りたい(とても知りたい+やや知りたい)」と回答しました。

特に、30代・40代の女性、また不正利用トラブル経験者は、いずれも全体と比較して不安感が強く、セキュリティ上安全な決済方法を知りたいと思う意向も強いことが分かりました。

 

 

 

■ キャッシュレス決済は、6割以上が年会費の安さや特典を重視。クレジットカードの選択で、万が一の不正利用を考えカードを選ぶ人は2割以下。 

今回の調査において、最も利用しているキャッシュレス決済について、下記の項目についてそれぞれどの程度重視した聞いた結果、年会費やポイントに関して回答した人が6割を超えました。

 

 

 

では、クレジットカードをつくるとき、利用者は何を重視しているのでしょうか。クレジットカード決済利用者に聞いた結果、上位2項目は「年会費が安いこと(無料含む)」(56.7%)や「ポイントやマイルが貯めやすいこと」(52.0%)で、半数以上の人がお金の節約や特典を重視していることが分かりました。

一方、セキュリティに関する「不正利用の防止体制」「不正にあった際の補償や保険の内容」は、いずれも2割を切る回答率で、セキュリティに対する不安が強かった30代・40代の女性や、不正利用トラブル経験者であっても低い回答率にとどまっています。特に40代の女性は 「年会費が安いこと(無料含む)」が76.3%、「ポイントやマイルが貯めやすいこと」が63.8%と、全体平均を大きく上回る結果となりました。

 

 

 

Part. 3 6人に1人が不正利用につながるトラブルを経験、対応策の認知と行動に大きな差

■不正利用につながるトラブルを経験した人は15.8%。約6人に1人が経験という結果に。

実際に不正利用につながるトラブルを経験した人はどれぐらいいるのでしょうか。キャッシュレス決済利用者における不正利用トラブル経験者は15.8%と、ほぼ6人に1人の割合でトラブルに遭遇していました。

 


■不正利用防止対策の認知と行動にギャップあり、 特にパスワード対策には大きな溝が。

キャッシュレス決済を通じた不正被害にあわないためには、利用者自身ができる対策をしっかり講じていることが重要です。調査対象者に、不正利用を防ぐ対策として「知っていること」と実際に「行っている」ことについて聞いてみました。

最も認知が高かった項目は、「IDやパスワード・暗証番号は誕生日など推測されやすいものは使わない」(81.9%)で、実際に65.5%の人が対策も講じています。次いで認知が高かった項目は、「複数のサービスで同じIDやパスワード・暗証番号を使わない」(66.4%)、「定期的にパスワードは変更する」(62.3%)でしたが、この2項目に関しては、実際に対策を行っている人が少なく、全項目の中で最も認知と行動のギャップが大きくなりました。

 

 

Part. 4 被害はお金にとどまらない!セキュリティ対応の違いを知ることも防御のカギに

■ トラブル経験者の8割以上が、手続きストレスを実感。 

6人に1人がトラブルに巻き込まれる可能性がある不正利用被害ですが、実際にトラブルに巻き込まれた人は、トラブルに遭遇したとき何に困ると考えているのでしょうか。調査の結果を見ると、最も回答が多かった項目は、「不正に取られたお金を、自分で負担しないといけない可能性がある」の88.7%(とても困る+やや困る)でしたが、「再発行の事務手続きが必要」(86.9%)、「決済サービスを利用した自動引き落としなどの変更手続きが必要」(85.7%)をはじめ、いずれの項目も8割を超える結果でした。

この結果から、不正利用のトラブルに巻き込まれると、その被害はお金にとどまらず、手続きをするための負担も多く、心身のストレスを受けることが分かります。

 

 

■セキュリティ対応の充実ぶりで、経験者の約6割がポジティブな気持ちに。

不正利用トラブルは心身のストレスをもたらす一方で、決済サービス会社のサポートの充実ぶりが、不正利用経験者の6割にポジティブな感情(信頼感・安心感・継続意向)を引き起こしていたことも明らかになっています。

 

 

■決済サービス会社のセキュリティ対応の違いを約6割が理解していない。

キャッシュレス決済サービスは、各社(あるいはサービス)によって、不正利用が起きた際の対応や補償が異なります。また、本人認証や不正利用検知システムなど、事前の防止体制やそのために導入している技術も異なり、事業者のセキュリティへの取り組み姿勢は、こうした点にも表れているといえるでしょう。

しかし、調査対象者に各社のセキュリティへの取り組みについて理解しているかを聞いたところ、すべての項目について6割以上の人が「分からない(あまり分からない+まったく分からない)」と回答。セキュリティ対応に関する各社の違いがあまり認識されていないことが分かりました。

 

 

[調査概要]

調査期間:2021年8月2日(月)〜8月4日(水)

調査方法:インターネット調査

調査対象:

Ⓐスクリーニング対象 10,000人(人口構成比で回収)から除外職種該当者を除いた9,415人

Ⓑ男女20~50代キャッシュレス決済利用者 各100サンプル 計800サンプル

Ⓒクレジットカード不正利用トラブル経験者  200サンプル

※各グラフのn数の対象となる群は、上記のⒶⒷⒸとして記しています。 ※本リリース上のスコアの構成比(%)は、小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%にならない場合もあります。

 

Interview セキュリティ対応、充実した補償が受けられるサービスを選択することが重要

 

山本正行氏

山本国際コンサルタンツ合同会社 代表/明治学院大学法学部講師 地方自治体消費者行政アドバイザー(埼玉県、京都府、愛知県)、監査委員など

主に電子決済(キャッシュレス)関連事業を専門とするコンサルタント。事業会社の決済サービスへの参入、法制度、コンプライアンス、事業提携などの支援を主な業務としている。 近年増加傾向にある電子決済が絡む消費者問題の解決を支援しており、消費生活相談員、行政職員、弁護士など向けにキャッシュレスサービスに関するセミナーも実施。著書に「 60分でわかる!キャッシュレス決済最前線」(監修:技術評論社)、「カード決済業務のすべて」(編著・きんざい)などがある。

 

政府の推進策やスマホ決済の積極的なPRなどが功を奏し、キャッシュレス決済が利用できるシーンが増えました。キャッシュレス決済は便利な上にポイント、キャッシュバックなどの特典も得られることから利用が大きく増えています。事業者にとっても売り上げ増進や現金の扱いが減り合理化につながるなどのメリットがあります。このような状況から、2015年に18%だったキャッシュレス決済比率*が2020年度には30%近くにまで増えています。

ところが、キャッシュレス決済の利用増加に伴い、消費者が不正被害などのトラブルに巻き込まれる事例も出ています。今回の調査結果を見ると、キャッシュレス決済サービスに関して7割の人がセキュリティに不安を持ち、実際に6人に1人が不正トラブルを経験していることが分かります。このような状況から、消費者がサービスを選択する際にはセキュリティ対策の充実度や、万一被害にあった場合にどのような補償が受けられるのかはとても重要なポイントであることが分かります。しかしながら、消費者はセキュリティ対策よりも年会費が安いことやポイントをためやすいなどの「お得感」でカードを選んでいるという、矛盾した現実も浮き彫りになりました。

キャッシュレス決済には便利でお得という大きなメリットがありますが、消費者が不正被害やトラブルに巻き込まれるリスクにどう対処するかが課題です。年会費が無料のキャッシュレス決済サービスでも、基本的なサービスや一定の補償が受けられるようになっています。しかし今後は、利用が多い場合や安心してキャッシュレス生活を楽しみたいと考える消費者は、費用を負担してもより充実した補償が受けられるサービスを選択することが重要になってくるでしょう。

 

※キャッシュレス決済比率:一般社団法人日本クレジット協会「クレジット関連統計」、日本銀行「決済動向」、一般社団法人キャッシュレス推進協議会「コード決済利用動向調査」、内閣府「国民経済計算」よりNRI作成

 
 
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