【データ】「新型コロナウイルス感染症による旅行市場への影響」調査 じゃらんリサーチセンター調べ

  • 2021年11月2日

 じゃらんリサーチセンターは10月28日、「新型コロナウイルス感染症による旅行市場への影響」調査の結果を発表した。

株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)の観光に関する調査・研究、地域振興機関『じゃらんリサーチセンター』(センター長:沢登 次彦)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の旅行業界への影響度を旅行者の視点から測り、地域および宿泊施設を主とした今後の回復期に向けた具体的施策の立案に役立てていただくために、「新型コロナウイルス感染症による旅行市場への影響」調査を2020年3月より継続して実施しており、最新の結果とともに調査内容をご報告いたします。

■調査トピックス
潜在層を含めた旅行意欲全体は調査開始からの最高値を記録
〇2021年9月時点の潜在層を含めた旅行意欲は65.6%となり、調査を開始した2020年3月以来最高値。
〇「旅行意欲ありの層」の内訳をみると「旅行に行きたいが様子をみている層」が最大であり、感染状況を考慮している状況。

コロナ禍前の旅行頻度が高かった人は、今後の旅行にも積極的
旅行の予定がある人は男性に多く、女性は様子見傾向

〇コロナ禍前に年3回以上旅行をしていた人の49.4%に、今後の旅行の予定があり。
〇男女別では男性の方が旅行の予定がある割合が多く、女性は様子見傾向が強い。
〇年代別では30代以下と60代・70代の旅行意欲が相対的に高い。

ワクチン接種済みで、旅行に行きたいが様子をみている人が全体の39.3%を占める
〇新型コロナウイルス感染症のワクチン接種者が今回調査では全体の75.5%を占め、ワクチン接種者でかつ「旅行に行きたいが様子をみている層」に分類される人が全体の39.3%を占めた。
〇全体傾向として、ワクチン接種後も含め慎重に旅行を検討している状況。

■調査概要
調査目的

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の旅行業界への影響度を旅行者の視点から測り、地域および宿泊施設を主とした今後の回復期に向けた具体的施策に役立てる
調査対象者
マクロミル会員モニター20歳以上 1,652人
性別および年代(20~30代/40~50代/60~70代)による均等割付を実施
調査時期
第9回:2021年9月27日(月)~2021年9月28日(火)
(過去の調査の調査時期)
第1回:2020年3月19日(木)~2020年3月20日(金)
第2回:2020年3月26日(木)~2020年3月27日(金)
第3回:2020年5月15日(金)~2020年5月16日(土)
第4回:2020年10月30日(金)~2020年10月31日(土)
第5回:2021年1月13日(水)~2021年1月14日(木)
第6回:2021年3月23日(火)~2021年3月24日(水)
第7回:2021年5月28日(金)~2021年5月29日(土)
第8回:2021年7月12日(月)~2021年7月14日(水)

第9回調査における回答者のプロフィール

■新型コロナウイルス感染症の感染拡大から現在(2021年9月)までの旅行意欲の推移
旅行意欲は2021年の年初から増加傾向だが、様子をみている層が常に最大

新型コロナウイルス感染症の影響下の旅行意欲について、時期ごとの変化を分析した(図1参照)。「④旅行に行きたいが様子をみている層」「⑤予定をしており、気を付けながら行く層」「⑥予定をしており、気にせず行く層」を合計した「⑦旅行意欲ありの層」(赤い折れ線)は2021年の年初から増加傾向であり、Go To トラベルキャンペーン実施期間中の2020年10月の値よりも高くなり、2020年3月の調査開始から最大となった。
その内訳としては「④旅行に行きたいが様子をみている層」が最多数を占めている。そのため、旅行意欲は高いものの新型コロナウイルス感染症の状況に応じて、実際の行動を制限している状況であると考えられる。旅行実施予定者についても「⑤予定をしており、気を付けながら行く層」は増加したものの、「⑥予定をしており、気にせず行く層」はほとんど増加しておらず、ワクチン接種が広まりつつある中でも、引き続き気を付けて行動する旅行意向者がほとんどである。

Q.今後のレジャーの計画についてお聞きします。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、現時点でのお気持ちに近いものをお選びください。※複数予定しているものがある場合は、直近で予定しているものについてお答えください。【国内宿泊旅行】(全体/単一回答)

※各項目は以下の回答を合計した

・わからない:「わからない」
・コロナ禍に関係なくもともと行かない層:「新型コロナ感染症に関係なく、もともと行きたいと思わない・機会がない」
・旅行をキャンセル・しばらく行かない層:「予定をしていたが、キャンセルした(したい)」「予定はないが、気になるのでしばらく行くつもりはない」
・旅行に行きたいが様子をみている層:「予定をしていたが、延期した(したい)」「予定をしていたが、どうするか考えている」「予定はないが、事態が落ち着いたら行きたい」「予定はないが、むしろ積極的に行きたい」
・予定をしており、気を付けながら行く層:「予定をしており、気を付けながら行く」
・予定をしており、気にせず行く層:「予定をしており、気にせず行く」
※いずれの調査もn=1,652
※第1・2回調査はいずれも同じ月内(2020年3月)に行ったため、第2回調査データを利用した

■2021年9月末時点での旅行予定者の属性分析
コロナ禍前に年3回以上旅行をしていた層の49.4%が旅行を予定
相対的に男性は旅行の予定がある人が多く、女性は感染状況を様子見傾向

今後の旅行計画を、コロナ禍前の旅行頻度別に分析すると、コロナ禍前に旅行頻度が高かった人ほど現在「予定あり」の割合が高い。コロナ禍前に年3回以上旅行していた人のうち、49.4%が旅行を予定している(図2参照)。
男女別に分析をすると、全体傾向として男性は「予定あり」の割合が女性より高く、女性は「予定はないが、事態が落ち着いたら行きたい」と回答した傾向が強い。現在は男性の動きが大きいものの、感染状況が落ち着くことで女性がより多く動き出すものと考えられる。年代別にみると、30代以下と、60代・70代が他の年代よりも、「予定あり」の割合が高い傾向にある(図3参照)。

今後の旅行予定:Q.今後のレジャーの計画についてお聞きします。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、現時点でのお気持ちに近いものをお選びください。※複数予定しているものがある場合は、直近で予定しているものについてお答えください。【国内宿泊旅行】全体/単一回答 N=1,652。「予定あり」は「予定をしており、気にせず行く」、「予定をしており、気を付けながら行く」の合計。「その他の回答」は「予定あり」、「予定はないが、事態が落ち着いたら行きたい」、「わからない」以外の6項目の合計。 コロナ禍以前の旅行頻度:Q.あなたは2020年2月以前の1年間(2019年3月から2020年2月)で旅行にどの程度出かけていますか。※新型コロナウイルス感染症が広まる前を想定してお答えください。【国内宿泊旅行】全体/単一回答 N=1.652。「ほとんど行かない」は「ほとんどいかない/2020年2月以前の1年間は出かけていない」

■2021年9月末時点での旅行予定者の属性分析
ワクチン接種者でかつ「旅行に行きたいが様子をみている層」が前回調査(2021年7月)から24.4pt増加し、39.3%となり最上位に

今後の旅行計画を、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種状況や接種意向をもとに分析した。ワクチン接種者でかつ「旅行に行きたいが様子をみている層」(39.3%)が最多となり、また同じくワクチン接種者でかつ「予定をしており、気にせず行く層」(1.6%)「予定をしており、気を付けながら行く層」(10.7%)を合わせると51.6%となり、ワクチン接種者で旅行意欲が高い人(表1にて赤枠で囲った部分)が全体の過半数を占めた。
ワクチン接種希望者はワクチンを接種した後も、旅行の検討や実施に際しては慎重な行動を心掛けていることが示唆されるため、個々人のワクチン接種は旅行の実施に直結するわけではなく、実際の感染者数などの状況に応じて、旅行の内容や実施時期を考慮していると考えられる。

Q.今後のレジャーの計画についてお聞きします。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、現時点でのお気持ちに近いものをお選びください。※複数予定しているものがある場合は、直近で予定しているものについてお答えください。【国内宿泊旅行】N=1,652

※各項目は以下の回答を合計した
・予定をしており、気にせず行く層:「予定をしており、気にせず行く」
・予定をしており、気を付けながら行く層:「予定をしており、気を付けながら行く」
・旅行に行きたいが様子をみている層:「予定をしていたが、延期した(したい)」「予定をしていたが、どうするか考えている」「予定はないが、事態が落ち着いたら行きたい」「予定はないが、むしろ積極的に行きたい」
・旅行をキャンセル・しばらく行かない層:「予定をしていたが、キャンセルした(したい)」「予定はないが、気になるのでしばらく行くつもりはない」
・コロナ禍に関係なくもともと行かない層:「新型コロナ感染症に関係なく、もともと行きたいと思わない・機会がない」
・わからない:「わからない」

■『じゃらんリサーチセンター』による解説

『じゃらんリサーチセンター』研究スタッフ 五十嵐 大悟

長期化するコロナ禍においても、旅行意欲そのものは増加傾向
観光の再開の動きは、まずは旅行好きな人から

旅行意欲そのものは、2021年の年初から増加傾向であり、2020年3月の調査開始から最大となりました。今後、感染の状況が落ち着き、Go To トラベルキャンペーンの再開などにより、この旅行意欲が実際の旅行行動として現れる可能性があります。その際、旅行意向者は、感染状況に応じて旅行の実施時期や方法について慎重な行動を選択し、安全な旅行を実施しようと模索し続ける状態が続くと考えられます。
2021年9月末時点では、コロナ禍前に頻繁に旅行に行っていた人ほど今後の旅行について「予定あり」の割合が多いことから、旅行好きな人の需要の獲得が重要となっていることがうかがえます。全体的に30代以下および60・70代は比較的旅行に積極的であるものの、30代~40代の女性は、同年代の男性と比較して様子見の傾向がみられました。
調査全体からは、年内は近隣県への旅行や、過去に行ったことのある地域への旅行を希望する声もみられました。したがって、回復期の初期においては、旅行慣れした人のリピート需要の獲得がポイントになる可能性があります。

ワクチン接種が拡大した後も、新しい生活様式に応じたおもてなしは引き続き重要な観点に
旅行意欲とワクチンの接種状況を掛け合わせて分析すると、ワクチン接種者でかつ「旅行に行きたいが様子をみている層」の割合が前回調査(2021年7月)から24.4pt増加し、39.3%を占めて最上位となりました。この数ヶ月でワクチン接種者が急増しましたが、旅行意向者全体としては感染状況に応じた旅行を、心掛けていることが分かりました。
ワクチン接種がより広がった後も安心・安全はこれまで通り求められており、受け入れ側の地域・事業者の皆さまにおかれましては、新しい生活様式に対応したおもてなしを実施することが、これからも重要な観点となるでしょう。


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