ユーロモニターインターナショナルは30日、「世界の旅行・観光市場に関する最新の調査結果」を発表した。
最新の調査結果によると、2030年までに世界の旅行者数*は24億人に達すると見られ、旅行先での支出額は2兆6千億米ドルにも上ると予想されます。
その中で、インバウンドの恩恵を特に受けると見られるのは、中国、フランス、アメリカです。
ユーロモニターインターナショナルの最新調査結果によると:
- 2017-2018年にかけて世界の旅行者数は5%増加し、14億人に達する見込みです。
これは、アメリカ、日本、ユーロ圏といった主要経済国における景気の見通しが引き上げられていることが背景に挙げられます。
- 2018-2023年、LCC (Low Cost Carrier: 格安航空会社) の乗客増加率は6%と予測されます。
- 2017年、旅行代理店市場の売上の70%はモバイル端末からによるものでしたが、このデジタル化の進展により、当市場は2023年までに2兆米ドルを超すと予測されています。
ユーロモニターインターナショナルの旅行産業調査マネージャー、ナディージャ・ポポヴァ(Nadejda Popova)は次のようにコメントしています。
「所得、中間層の増加により、消費者マインドがグローバルで高まっています。若い世代や都市に住む消費者は、今までにないような新しい旅行体験を求めており、旅行業界においては、よりターゲットを絞ったサービスや商品を提供することが大きなトレンドとなっています。
旅行業界は長年にわたり絶えずダイナミックに進化してきましたが、業界を揺るがすようなゲームチェンジャーの登場によって、従来のような市場の見立てをすることが難しくなってきています。消費者が以前にも増して洗練され、要求も高くなってきている中、シェアリングエコノミーやデジタライゼーションが、新たなビジネスモデルをもたらしています。
消費者が旅行に興味を持ち、検索・予約を行い、そして旅行先でサービスを受けるに至るまで、シームレスな旅行体験を提供することが、競争優位に立つために必須です。AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングといった技術が、一人一人の旅行のカスタマイズを可能にし、シームレスな旅行体験の提供を後押ししていくでしょう。」
*「旅行者数」は、延べ外国人訪問者数ベースとなります。