【データ】「シニア世代における新型コロ流行前とコロナ禍、withコロナ時代の外出・社会参加影響調査」

  • 2023年1月20日

 WHILLは12日、「シニア世代における新型コロ流行前とコロナ禍、withコロナ時代の外出・社会参加影響調査」の結果を発表した。

WHILL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:杉江理、以下「WHILL社」)は、2022年12月6日(火)~16日(金)に、全国65歳以上の男女600名を対象に、「シニア世代における新型コロナウイルス(以下「コロナ」)流行前とコロナ禍、withコロナ時代の外出・社会参加影響調査」を実施いたしました。

■調査背景
コロナが流行し始めた2020年初めから約3年が経過し、行動制限の緩和や「全国旅行支援」の実施などもあり、旅行やお出かけを楽しむ方が増え、少しずつ日常を取り戻しつつあるようにみえます。WHILL社は2020年8月、コロナ禍におけるシニア世代の外出・社会参加の変化に関する調査を実施し、シニア世代の約7割がコロナ前と比べて外出頻度とともに、社会との関わりが減少したことがわかりました。

今回、流行から3年が経ち、コロナ前と流行ピーク時、直近の比較を交えながら、実際にシニア世代の意識や行動にどんな変化があったのかについて、改めて調査を実施しました。報道の一資料としてご活用ください。

■調査概要
◇調査方法:WEBアンケート方式で実施
◇調査対象:全国の65歳以上の男女
◇有効回答数:65歳以上 男女 600名(平均年齢74.3歳)
うち、歩きづらさを感じている方 300名/歩きづらさを感じていない方 300名
◇調査実施日:2022年12月6日(火)~16日(金)

■サマリー
半数が現在も、コロナ発生前と比べて外出頻度が減っていると回答。それに伴い、社会交流も同様に落ち込んでおり、「全国旅行支援」などの外出促進施策があるにもかかわらず、依然としてコロナ前の水準には回復していない。

・日常に必要な外出(買い物、通院など)は、コロナ前と比べても大きな変化はみられない。一方で、友人や近所との交流、主に屋内での趣味活動などの外出をすると回答した人は、コロナ前と比べて現在もなお半減している。

・コロナ禍での外出控え、公共交通機関利用控え、体力や足腰の衰えなどから社会参加は減少。社会との関わり合いが減ったことによる影響として、外出への意欲や自信の喪失、「何事にもめんどくさくなった」といった生活意欲の減退が多く挙がった。特に、歩きづらさを感じているシニアではその傾向が顕著

①外出機会・人との交流の増減について
コロナ流行前(2020年2月以前)と現在(2022年12月、調査実施時)を比較して、外出頻度・人との交流*ともに、約半数が「減った/やや減った」と回答(47.5%、48%)しました。2022年9月以降は「全国旅行支援」が始まったにもかかわらず、外出頻度・社会交流が「増えた/やや増えた」と答えた割合はいずれも、1割程度にとどまっています。
また、外出回数は、コロナ前は「ほぼ毎日」が3割程度(27.2%)いたものの、現在は8.5ポイント低下しています。2022年9月以降でも、3人に1人が「週に1日」以下(31.5%)と答えたほか、「ほとんど、またはまったく外出しない」と答えた人は、コロナ前と比べてほぼ倍増しました(図1)。

                    【図1:外出回数の変化】
*人との交流とは、人と関わったりコミュニケーションをとったりすること(会話や電話、メールなど)を指します。

②外出目的の変化について
外出**を目的別に見ると、買い物や通院などの日常に必要な外出や、1人または家族に関わる外出については、コロナ前と現在を比べても大きな変化は見られませんでした。
半面、友人や近所との交流、主に屋内での趣味活動に関わる外出は現在と比べていずれも大きく落ち込んでおり、友人・近所付き合いは61%減、友人・親戚宅の訪問は53%減、観劇・映画鑑賞は48%減となっています。
なお、自由記述による回答では、インターネットなどを活用し始めたことで買い物などは便利になったものの、友達と食事に行ったり、会えたりすることができなくなったことが寂しいと答えたシニアが多くいました。
**外出とは、買い物に行く、近所に散歩にいくなど、家の敷地から出ることなどを指します。

③社会との関わり合いが減ったことによる影響
外出・社会との関わりが減ったことで、4割以上が「体力や身体に衰えを感じた」と回答しました。また、上位には生活意欲の減退がうかがえる回答が挙がっています(図2)。
また、歩きづらさを感じているシニアでは、「体力や身体(足腰など)に衰えを感じた」「外出が億劫になった」「何事にもめんどくさくなった」「外出する自信がなくなった」の回答が特に高く、歩きづらさを感じていないシニアと比較して2〜3倍の開きがありました。身体的な虚弱および外出へのネガティブな感情の想起がみられます。

        【図2:社会との関わり合いが減ったことによる影響(複数回答、%)】

 ④外出頻度の減少と外出意欲の減退の関係について
半数近くが「外出が減る→外出が億劫になる→さらに外出が減る」という経験をしたと答えています(図3)。内訳をみると、歩きづらさを感じているシニアは特にその傾向が強く(63%)、歩きづらさを感じていないシニアと3倍近い開きがあったことがわかりました。
一方で、外出や社会との関わりの頻度のいずれかが減ったシニア368名に、「外に出る機会が増えれば、社会と関わりを持つことに対して、より前向きになれると思うか」について聞いたところ、9割近く(86.9%)が「なれると思う」と回答しました(図4)。自由記述でも、「コロナ禍で行きたいところへ出かける事を控えてしまったが、友達と自由に出かけられるようになりたい」「できるだけ外で歩く機会を増やそうと頭の中では考えているが、なかなか思うようにはできていない」など、意欲はあるものの、感染への懸念や足腰・体力への不安から二の足を踏んでしまうシニアもいることがうかがえます。

   【図3:「外出が減る→外出が億劫になる→さらに外出が減る」経験をしたシニアの割合(%)】

【図4:「外に出る機会が増えれば社会と関わりを持つことに対し、より前向きになれると思う」と回答したシニアの割合(%)】

■飯島 勝矢氏 コメント

医師 医学博士
東京大学 高齢社会総合研究機構 機構長・未来ビジョン研究センター 教授
東京慈恵会医科大学卒業、東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座助手・同講師、米国スタンフォード大学医学部研究員を経て、2016年より東京大学高齢社会総合研究機構教授、2020年より同研究機構教授・機構長、および未来ビジョン研究センター教授。内閣府「一億総活躍国民会議」有識者民間議員、厚生労働省「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」構成員、日本学術会議「老化分科会」メンバーなどを歴任。

「コロナの問題は、全ての世代に大きな影響を及ぼしたが、なかでも高齢者の方々に対して大きな負の足跡を残した。特に最初の1年間においては、確かに多くの方々を重症化させ、そして命までも奪ったケースは少なくない。そして、もう一つ忘れてはいけない要素が『コロナ・フレイル』である。コロナ禍における自粛生活の長期化により、自立機能を維持している地域在住高齢者にまで生活不活発を強いることになり、その低活動を基盤とするフレイル化を進めてしまう、いわゆる健康二次被害としてのコロナ・フレイルを助長したのである。具体的には、我々が全国で展開している住民同士でのフレイルチェック活動において、コロナ前との比較をしてみると、筋肉減弱(サルコペニア)が進行し、栄養の偏りも助長し、認知機能も低下させ、家族や地域交流の中での会話もできないため、滑舌も顕著に低下していることが分かった。

しかし、初期の変化だけではなく、2年間の追跡をしてみると、新たな知見が見えてきた。まず、このコロナ禍であっても心身機能の低下を示さない高齢者も一定割合存在し、その方々はコロナ感染予防を徹底しながらも、さまざまな地域交流や地域活動が途絶えなかった方である。また、多様な機能低下を示した方であっても、ワクチン接種後に活動を徐々に再開し、低下した身体機能が徐々に回復傾向の方々も少なくない。さらに、忘れてはならないことが、今回の自粛生活を通して最低限の自立機能をも失ってしまい、不可逆なレベルになってしまった高齢者も少なくない。一人で公共交通バスに乗って買い物に行っていた高齢者が、もうバスにすら乗れなくなってしまったケースもある。身体機能も認知機能もこの2年間で急激に低下してしまったのである。

高齢者は現役世代のように筋トレなどで身体を鍛え直すことはなかなかできず、むしろ地域活動や地域交流のなかで結果的に身体を動かしている現実がある。コロナ禍での初期の頃の経験を十分に活かし、感染予防と地域交流の両面をバランスよく考え、地域の中で『集う場、絆を生かして会話を楽しむ場』などを上手に再開し、徐々に増やしていくべきなのであろう。

そこで、たとえ足腰の衰えが進んでしまった方でも、WHILLなどの移動手段を今まで以上に気軽に活用し、まずは外にお出かけしたり、もしくは出先でWHILLに乗りながらみんなと一緒にエンジョイしたりするなど、色々と便利な使い方がある。乗ることに躊躇するのではなく、思い切って乗って大きく移動することにより、新たな景色を見ることができる。まずはエイヤっと踏み出してみよう。きっと新たな世界観、新たな自分に出会うことができるだろう。

今まさに求められる対策は、『コロナ感染に対して賢く恐れながら、自分の日常生活のレベルを決して落とさず、積極的に外出をしよう!住民主体活動の歯車を止めないようにしよう!』という考えが重要なのである。そして、産官学民連携の下、新たな地域づくりに向けて、勇気をもってチャレンジしていく時期なのである」


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