【データ】「コロナを経験した社会で会社に期待すること」に関する調査

  • 2020年7月3日

 働きがいのある会社研究所は6月25日、「コロナを経験した社会で会社に期待すること」に関する調査の結果を発表した。

「働きがいのある会社」に関する調査・分析を行うGreat Place to Work® Institute Japan(株式会社働きがいのある会社研究所、本社:東京都品川区、代表取締役社長:荒川陽子、以下GPTWジャパン)は、2020年6月、今年2月以降に人生で初めて2週間以上のテレワークを経験した20-59歳の男女正社員624名(男女各312名、経営者・役員を除く)を対象に、「コロナを経験した社会で会社に期待すること」に関する調査を実施しました。

新型コロナウイルスをきっかけに、企業のテレワーク導入が急速に進み、働き方は大きく変化しています。6月に入り、緊急事態宣言・東京アラートが解除されたタイミングで、テレワークを開始する前に一般社員が感じていた不安と、実際にテレワークを経験して起きた内面の変化、さらに、今後「会社に期待すること」について調査を行いました。以下に報告いたします。

 

「コロナを経験した社会で会社に期待すること」に関する調査データサマリー

1. 2020年2月以降に人生で初めてテレワークを経験した人のうち、7割近くがテレワーク開始前に不安を感じていた

2. テレワーク開始前に不安だった要素、1位は「社内外とのコミュニケーション」(n=427)

3. 実際にテレワークを経験したあとも不安が解消されなかったのは「集中力」

4. テレワークで業務の生産性は低下傾向。特にチームの生産性について「低下した/どちらかといえば低下した」と回答した人は「向上した/どちらかといえば向上した」より18.3ポイント多かった

5. テレワークで仕事へのモチベーション・やりがいが高くなった人は全体の約4分の1

6. モチベーション・やりがいが高くなった人ほど、生産性も向上傾向

7. テレワーク期間中に「ワークライフバランスが向上した」と感じる人が約6割。逆に減ったのは「従業員同士のコミュニケーションのとりやすさ」「社内の一体感や連帯感」

8. 「新しいことや改善にチャレンジする機会」はモチベーション向上に寄与

9. テレワークを経験して、76.9%が「毎日出社する必要はない」と回答

10.  今後は「テレワークと出社が半々くらいの働き方」を希望する人が過半数

11.  今後、テレワークをする(と仮定した)うえで「会社に対して、より改善を期待すること」1位は「ワークライフバランス」、3位に「新しいことや改善にチャレンジする機会」

 

調査概要

調査名 :コロナを経験した社会で「会社に期待すること」調査

期間  :2020年6月10日(水)~2020年6月11日(木)

方法  :インターネットリサーチ

対象  :2020年2月以降に人生で初めて2週間以上のテレワーク期間を経験した、全国の企業(従業員数25名以上)に勤める20-59歳の男女正社員(一般社員※経営者・役員を除く)624名(男女各312名)※サービス職、工場・現場職を除く

 

調査結果

1. 20202月以降に人生で初めてテレワークを経験した人のうち、約7割がテレワーク開始前に不安を感じていた(n=624

現在勤めている会社で、2020年2月以降に人生で初めてテレワークを経験した人を対象に、テレワーク開始前に不安を感じていたかどうか聞いたところ、「はい」と回答した人は68.4%。多くの人が、未体験のテレワークという働き方に不安を感じていたことがわかった。

 

 

 

2. テレワーク開始前に不安だった要素、1位は「社内外とのコミュニケーション」(n=427)※複数回答

1.で「はい」と回答した人に不安に感じていた要素を聞いたところ、1位「社内外とのコミュニケーション」(58.3%)、2位「仕事を行う環境・設備」(56.9%)、3位「集中力」(52.0%)という結果に。

 

 

3. 実際にテレワークを経験したあとも不安が解消されなかったのは「集中力」 (n=427) 

2.の各要素について「実際にテレワークを経験して、不安が解消されましたか」と聞いたところ、「解消された/どちらかといえば解消された」が多かったのは「新たなツールやシステムなどの操作方法」(73.0%)、「社内外とのコミュニケーション」(55.1%)、「仕事を行う環境・設備」(49.0%)、「業務効率」(37.5%)、「家族との関係」(36.6%)。逆に「解消されなかった/どちらかといえば解消されなかった」が多かった要素は「企画・発想力」(61.9%)がトップに。続いて、「健康管理」(46.8%)、「集中力」(45.5%)となった。テレワーク経験前に不安が大きく、実際にテレワークを経験しても不安が解消されなかった要素は「集中力」であるとわかった。

 

 

4. テレワークで業務の生産性は低下傾向。特にチームの生産性について「低下した/どちらかといえば低下した」と回答した人は「向上した/どちらかといえば向上した」より18.3ポイント多かった (n=624) 

テレワークによる業務の生産性の変化について聞いたところ、チームの生産性について「向上した/どちらかといえば向上した」と回答した人が15.2%だったことに対し、「低下した/どちらかといえば低下した」が33.5%と、「向上した/どちらかといえば向上した」より18.3ポイント多かった。また、自身の生産性についても「向上した/どちらかといえば向上した」と回答した人が23.7%だったことに対し、「低下した/どちらかといえば低下した」が32.8%。自身・チームともに生産性が低下したと考えている人が向上したと考えている人よりも多いことがわかった。一方、最も多かったのは自身・チームともに生産性は「変わらない」という回答で、自身が43.4%、チームが51.3%となった。

 

 

5. テレワークで仕事へのモチベーション・やりがいが高くなった人は全体の約4分の1n=624

テレワーク経験後、仕事へのモチベーション・やりがいに変化があったかどうか聞いたところ、「高くなった/どちらかといえば高くなった」が合わせて27.1%。「低くなった/どちらかといえば低くなった」の18.4%より8.7ポイント高い結果となった。

 

 

6. モチベーション・やりがいが高くなった人ほど、生産性も向上傾向

続いて、5.でモチベーション・やりがいが「高くなった」人と 「低くなった」人について、それぞれ4.生産性の変化の回答を比較した。モチベーション・やりがいが「高くなった」人は生産性についても「高くなった」と回答した人が51.4%、逆に生産性が「低くなった」と答えた人は2.7%だった。これに対し、モチベーション・やりがいが「低くなった」人のうち、生産性が「高くなった」人はわずか2.9%で、逆に生産性が「低くなった」人は42.9%と、真逆の結果になった。モチベーション・やりがいといった従業員の内面の変化は、業務の生産性と相関性があることが読み取れる。

 

 

 

7. テレワーク期間中に「ワークライフバランスが向上した」と感じる人が約6割。逆に減ったのは「従業員同士のコミュニケーションのとりやすさ」「社内の一体感や連帯感」 (n=624) 

テレワーク期間中に感じた仕事上の変化について聞いたところ、 「増した/どちらかといえば増した」が最も多かったのは、ダントツで「ワークライフバランス」(58.5%)、2番目に「新しいことや改善にチャレンジする機会」(33.5%)が続いた。逆に「減った/どちらかといえば減った」が多かったのは、「従業員同士のコミュニケーションのとりやすさ」(34.1%)、「社内の一体感や連帯感」(26.4%)となった。

 

 

 

8. 「新しいことや改善にチャレンジする機会」はモチベーション向上に寄与(n=624

5.でテレワークを経験して、モチベーション・やりがいが「高くなった」または「低くなった」と回答した人について、それぞれ7.の質問に対してどのように回答したかを比較したところ、両者間で「増した」と回答した人のポイント差が最も大きかったのは「新しいことや改善にチャレンジする機会」。モチベーションが高くなった人のほうが42.9ポイントも多かった。ほかにも、「ワークライフバランス」は42.5ポイント、「社内の連帯感や一体感」は24.1ポイントなど、すべての項目について、モチベーションが高くなった人のほうが改善を感じていることがわかる。さらに、モチベーションが低くなった人は、「会社や仕事への誇り」「経営層のリーダーシップへの信頼」など多くの項目で、「増した/どちらかといえば増した」と回答した人が一人もいなかった。モチベーションの低くなった人は、会社へのエンゲージメントも低下傾向にあることがうかがえる。

 

※グラフはモチベーションが「高くなった」人と「低くなった」人について7.の回答を比較し、「増した」のポイント差が大きい順

 

9. テレワークを経験して、76.9%が「毎日出社する必要はない」と回答 (n=624)※複数回答

「テレワークを経験して、それまでの慣習について実感したこと」を聞いたところ、最も多かったのが「毎日出社する必要はない」(76.9%)。次いで、「移動にかけていた時間がもったいない」(58.8%)、「同じ時間に勤務する必要はない」(48.7%)となった。一方、最も少なかったのは「一人一台デスクを持つ必要はない」(19.9%)。

 

 

10. 今後は「テレワークと出社が半々くらいの働き方」を希望する人が52.7%(n=624

今後もテレワークを続けたいか聞いたところ、「テレワークと出社が半々くらいの働き方」を希望する人が52.7%と過半数を超え、次いで「テレワークを主体とした働き方」が34.0%。「出社を主体とした働き方」は13.3%にとどまった。

 

 

11. 今後、テレワークをする(と仮定した)うえで「会社に対して、より改善を期待すること」1位は「ワークライフバランス」、3位に「新しいことや改善にチャレンジする機会」(n=624

今後、テレワークをする(と仮定した)うえで「会社に対して、より改善を期待すること」を聞いたところ、最も多かった回答は「ワークライフバランス」(47.6%)、次いで「従業員同士のコミュニケーションの取りやすさ」(40.2%)、「新しいことや改善にチャレンジする機会」(30.8%)となった。働きやすさとともに、従業員同士の関係づくりや、新たな挑戦・成長の機会が求められていることがわかった。

 

 

今回のコロナ危機をきっかけに、働き方には新たなスタンダードが生まれつつあります。テレワークを経験する前後の変化を受け止めるとともに、普遍的な要素を磨いていく必要もあるといえるでしょう。GPTWジャパンは、働き方の変化に柔軟に適応しながらも、アフターコロナ社会にも通用する「働きがい」という概念のさらなる浸透と向上を目指し、活動してまいります。

 

GPTWジャパン 代表コメント

テレワークは、始めてみるとすんなり受け入れられた人が多く、毎日出社することや、毎日同じ時間に勤務することなど、これまで当たり前にやってきたことを見直す良いきっかけとなりました。その結果、今後もテレワークを活用したい人が半数を超えています。一方、在宅勤務による生産性の低下という課題も改めて確認できました。3割以上の人が、自分自身およびチーム全体の生産性が低下傾向だと感じています。また、ITツールの使い方や仕事を行う環境への不安は、半数以上が実際にテレワークを経験して「解消された」と回答しています。しかしながら、テレワーク経験後も不安が解消されなかった要素には「企画・発想力」「集中力」「健康管理」といった内面に関する要素が挙がりました。生産性を高めるヒントは、ハード面ではなくソフト面、すなわち自分自身のスキルやコンディションの向上にあることが見て取れます。

 

加えて、テレワークを通して減ったことに「コミュニケーションの取りやすさ」「社内の一体感や連帯感」が上位に並びました。これらも生産性の低下を感じる要因となっていると考えられます。ただし、テレワークによってモチベーションが高まった群では、「コミュニケーションの取りやすさ」「社内の一体感や連帯感」ともに「減った」と感じている人は少なく、むしろそういった機会は「増した」と回答している人が多い結果となりました。これは、個人のモチベーションや仕事へのやりがいを高めることが、生産性向上に繋がっていくことを示唆するデータだといえます。当社では「働きがい」を測る指標として「働きやすさ」だけではなく、「やりがい」を重視しています。テレワークと出社を組み合わせるなど、新しい働き方のスタンダードができていくこれからの日本において、企業の生産性を高めていくキーワードは、「やりがい」を高めることを通じた「働きがい」の向上にあると私たちは考えています。


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