
エラベルは8日、「コロナが明けたら行きたい場所」に関する アンケート調査の結果を発表した。

- 調査結果まとめ
・海外と国内では「国内」に行きたい人が68.3%と多い結果に。
・コロナが明けたら行きたい場所ランキングでは海外の1位は「ハワイ」、国内の1位は「北海道」と暖かい場所と寒い場所の対照的な場所が選ばれていた。
・実際に行く「予定がある」と回答した人は12.4%にとどまり、「予定はない」と回答した人の多くがコロナは収束しておらず時期尚早と思っている。
・行く予定のある人では、時期は「2022年1月~8月」が多い傾向にあり、中にはGO TOが2022年2月に再開されることを見越して計画をしている人もいた。一方、行く予定がない人では「2022年5月~10月」頃に行きたいと思っている人が多い結果となった。
- 回答者の属性
■男女比
・男性:33.1%
・女性:66.9%
■年代と性別
【男性:331人】
・10代:4人
・20代:53
・30代:127人
・40代:82人
・50代:51人
・60代:13人
・70代以上:1人
【女性:669人】
・10代:10人
・20代:142人
・30代:280人
・40代:172人
・50代:56人
・60代:8人
・70代以上:1人
※アンケート回答者の「居住地」と「職業」はページ最下部に記載
- 海外と国内どっちが優勢?
■コロナが明けたら海外と国内どっちに行きたい?
・国内:68.3%
・海外:31.7%
海外と国内では「国内」と回答した人が68.3%と「海外」を2倍以上差を付ける結果となりました。
おそらく海外に行っても、コロナの影響で隔離がある国がまだ多いことやワクチンパスポートが必要であったり、人目を気にして行きづらいといったこともあり、気軽に海外に行けないといったことも背景にあると考えられます。
実際、新型コロナウイルスの感染が起こる前の2019年では、国内旅行者数は延べ5億8,710万人(※1)、海外旅行者数は2,008万人(※2)と大きく差を付けていることからもうかがえます。
日本の国土は狭く、国内のどこでも日帰りで行けてしまうことや、同じ国であるのに地域によって文化が大きく異なることも「国内」を選ぶ人が多い要因の1つなのかもしれません。
(※1)参考:観光庁「旅行・観光消費動向調査2019年年鑑値(確報)」https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001342441.pdf
(※2)参考:出入国在留管理庁「令和元年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(速報値)」https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri04_00001.html
- 海外ランキング
■コロナが明けたら行きたい海外ランキングTOP10
・1位:ハワイ:161人
・2位:アメリカ:122人
・3位:台湾:80人
・4位:フランス:77人
・5位:イタリア:63人
・6位:韓国:55人
・7位:オーストラリア:49人
・8位:スペイン:38人
・9位:ドイツ:37人
・10位:イギリス:36人
※複数回答
コロナが明けたら行きたい海外ランキングの1位は「ハワイ」161人でした。
日本からの訪問地で最も多いのがハワイ(※3)ですが、なぜ日本人がハワイを好きなのかは長年の謎ではっきりしたことはわかっていません。
しかし、「右に倣え」をしてしまう日本人の国民性も関係し、芸能人がお正月にハワイで過ごす姿や、多くの人がハワイに旅行する姿を見て、ハワイに行きたいと思う部分もあると考えられます。
ハワイはアメリカでありながら多くの場所で日本語が通じるように、日本人観光客が訪れやすい場所です。それもそのはず、アメリカ人の次に多く訪れるのが英語の苦手な人が多い日本人(※4)なのですから、日本人の対応に力を入れているのは間違いないでしょう。
また、2010年にハワイアン航空が日本に就航すると、ほかの航空会社も続々と参入し、2020年までハワイへの航空路線はどんどん増えていたことも後押しとなったと推測できます。
興味深いことに、新型コロナウイルスが蔓延する以前、中国はアメリカ、韓国に次いで3番目に日本人が多く訪れる場所(※3)でしたが、今回のランキングには入っていないだけでなく、ランキング外でも5人と僅かな人数しかいませんでした。これは新型コロナウイルスの発生地が中国であるとされていることも大きく関係していると考えられます。
(※3)参考:日本政府観光局「各国・地域別 日本人訪問者数 [日本から各国・地域への到着者数] (2015年~2019年) 」https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/20210218.pdf
(※4)参考:ハワイ州観光局「Japan Market Statistics Update」https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/20210218.pdf
- 国内ランキング
■コロナが明けたら行きたい国内ランキングTOP10
・1位:北海道:265人
・2位:沖縄県:237人
・3位:京都府:84人
・4位:東京都:45人
・5位:大阪府:40人
・6位:千葉県:30人
・7位:福岡県:28人
・8位:石川県:25人
・9位:大分県:23人
・10位:長崎県:18人
※複数回答
コロナが明けたら行きたい国内ランキングの1位は「北海道」265人でした。
民間の調査会社が毎年行っている「都道府県魅力度ランキング」(※5)では、13年連続で1位に選ばれている北海道ですが、北海道がなぜ人気なのかはハワイ同様にわかりません。
北海道に行くには、飛行機、フェリー、新幹線の方法がありますが、海を渡るというちょっとした特別感や、広大な大自然、豊富な海鮮物、さまざまな観光スポットなどが1つの大きな島の中にあり、リゾート感があると考えられます。
また、2位に「沖縄県」237人と続きますが、沖縄県も飛行機やフェリーでしか行くことができず、北海道同様にリゾート感がある場所です。
実際、1972年5月15日まで沖縄県に行くためにはパスポートが必要だったことを考えれば、日本でありながらも日本でないような沖縄県に行ってみたいと思う人が多く存在しても不思議ではないでしょう。
(※5)参考:株式会社ブランド総合研究所「都道府県魅力度ランキング(地域ブランド調査2021)」https://news.tiiki.jp/articles/4697
※ランキング外の回答は本記事で掲載
- 実際、行く予定はある?行くとしたらいつごろ?
■実際に行く予定はある?
・予定はない:87.6%
・予定がある:12.4%
実際に行く「予定がある」と回答した人は12.4%でした。
一方で、「予定はない」と回答した人は87.6%と実に9割近くにあたります。
現在日本の新型コロナウイルス感染者数は低いままを保っていますが、海外では変異したオミクロン株が猛威を振るっているように、いつまた急に再拡大するかわからない状況でどこかに行く予定は立てにくいと考えている人が多いと推測できます。
実際、2020年の年末では感染の急激な再拡大によって緊急事態宣言が発令され、GO TO トラベルを利用した旅行を予定していた人たちのキャンセル料を国が負担するということも起こりました。
自腹でキャンセル料を支払った人もおり、テレビでは連日ニュースとなっていたことは記憶に新しいことでしょう。第6波がくると言われている中、再び同じこととならないように慎重になっていることがうかがえます。
実際のコメントをご紹介します。
■【予定がある】実際のコメント
「そろそろコロナも落ち着いており旅行をしても良いと思っている」(男性 / 40代 / 自営業・自由業)
「なかなかハワイに行けそうにもないので、せめてもということで夫が沖縄に連れて行ってくれることになっている」(女性 / 30代 / 専業主婦)
「新婚旅行でハワイが行けなくなったため、代替地として計画中」(男性 / 30代 / 会社員)
「もう少し暖かくなったら、来年の春から秋頃に行きたいと思っていますが、コロナ次第です」(女性 / 30代 / 会社員)
「コロナで約2年間旅行に行っていない事もあり、行くのであればある程度知っている場所で、楽しめるとわかっている場所が良いと考えている為」(男性 / 40代 / 会社員)
「好きなアーティストのライブがある」(男性 / 40代 / 会社員)
「長い間帰省していないので実家のある北海道に帰る」(女性 / 40代 / 会社員)
新型コロナウイルスが落ち着いてきて、現在は特に移動の制限もないことから、行く予定を立てている人が多いようです。ずっと我慢してきたということもあり、海外旅行を計画している人も見られました。
■【予定はない】実際のコメント
「まだコロナの心配があり、車で行ける範囲じゃない為」(女性 / 30代 / 契約社員・派遣社員)
「まだ飛行機に乗って旅行する見通しは世情的に難しいなと感じています」(女性 / 40代 / 専業主婦)
「コロナ感染の不安があるので特効薬ができたりインフルエンザ並みの感染症になるまでは、なかなか旅行へ行く気分にはなれないです」(女性 / 40代 / 医療関係者)
「コロナが減っているが、職場が県外に行くのを禁止しているため」(女性 / 30代 / 医療関係者)
「コロナの影響で収入が減ったため」(女性 / 40代 / 専業主婦)
「お金と時間の余裕が無い」(男性 / 30代 / 会社員)
「周りの人をまだ誘いにくい」(女性 / 20代 / 自営業・自由業)
「新型コロナウイルスがまだ収束していない」といったコメントが多く見られ、時期尚早と思っていることがうかがえました。医療関係者では職場から行動規制がある人も多く見られ、思うように移動ができないようです。
また、「子育てが忙しい」「休みがとれない」など、新型コロナウイルスに関係なく忙しくてそれどころではないという人や、新型コロナウイルスの影響で収入が減ってしまったり、仕事がない人では「金銭的余裕がない」など切実なコメントも見られ、コロナが落ち着いてきたからといって今まで通りの生活に戻れていない人も多々いることがわかりました。
一方、周囲の目を気にして出かけられないという人もおり、まだ心から旅行を楽しめる状況ではないのが現実問題としてあるのかもしれません。
- ■行く予定がある人はいつ行く?
【予定がある:124人】
・2021年11月〜 12月ごろ:13人
・2022年1月〜2月ごろ:21人
・2022年3月〜4月ごろ:23人
・2022年5月〜6月ごろ:23人
・2022年7月〜8月ごろ:17人
・2022年9月〜10月ごろ:7人
・2022年11月〜12月ごろ:4人
・2023年1月〜2月ごろ:4人
・2023年3月〜4月ごろ:1人
・2023年5月〜6月ごろ:5人
・2023年9月〜10月ごろ:1人
・2023年11月〜12月ごろ:1人
・2024年1月以降:4人
「行く予定がある」と回答した人では、「2022年1月~8月」くらいに予定している人が多い結果となりました。
新型コロナウイルスが蔓延するまでは、年末年始や春休み、ゴールデンウイークやお盆休みなど、まとまった休みがあるときに旅行をする人が多い傾向にありましたが、既に行く予定がある人はそういった休みに合わせて計画しているようです。
また、
「2月にGO TOが再開予定だから」(男性 / 40代 / 教職員)
といったコメントも見られるように、GO TOの再開を見越して予定している人も多いと考えられます。
- ■行く予定がない人はいつ頃行きたい?
【予定はない:876人】
・2021年11月〜12月ごろ:8人
・2022年1月〜2月ごろ:20人
・2022年3月〜4月ごろ:59人
・2022年5月〜6月ごろ:83人
・2022年7月〜8月ごろ:113人
・2022年9月〜10月ごろ:85人
・2022年11月〜12月ごろ:66人
・2023年1月〜2月ごろ:39人
・2023年3月〜4月ごろ:34人
・2023年5月〜6月ごろ:45人
・2023年7月〜8月ごろ:41人
・2023年9月〜10月ごろ:31人
・2023年11月〜12月ごろ:16人
・2024年1月以降:236人
「行く予定はない」と回答した人は、行きたい時期に「2022年7月~8月」が113人と多い回答となりました。
前後の「2022年5月~6月」「2022年9月~10月」も80人以上が回答しており、2020年、20201年は旅行を自粛する人も多く見られましたが、さすがに来年の夏頃は旅行に行きたいと思っているのかもしれません。
また、「2024年1月以降」と回答した人は236人いましたが、
「コロナウイルスの流行が不安だから」(女性 / 20代 / 無職)
といったコメントが多く見られ、今は考えられず完全に落ち着いてからゆっくり考えたいと思っていることがうかがえました。
- 周りの人たちで「〇〇に行きたい」と一番聞く場所はどこ?
■「〇〇に行きたい!」と耳にする場所ランキング
・1位:沖縄県:213人
・2位:北海道:165人
・3位:ハワイ:161人
・4位:東京ディズニーリゾート:125人
・5位:東京都:66人
・6位:京都府:61人
・7位:韓国:47人
・8位:温泉:35人
・9位:アメリカ:26人
・10位:ユニバーサルスタジオジャパン:25人
周りの人から「〇〇に行きたい」と聞く場所はどこですか?の質問に対し、回答をランキングにしてみたところ1位は「沖縄県」213人でした。
ランキングの1位、2位、3位は海外ランキングや国内ランキングの上位にランクインしていた場所ですが、4位に「東京ディズニーリゾート」125人が入ってきており、他にも国内が多くランクインする結果となりました。
ランキングには入りませんでしたが、「どこでもいいからとにかくどこかに行きたい」と耳にする人も少なくないようで、新型コロナウイルスによるこの約2年間の生活は、我慢の連続だったことがよくわかりますね。
- まとめ
・コロナが明けたら行きたいのは「国内」が68.3%と「海外」の2倍以上の結果に
・コロナが明けたら行きたい海外ランキングの1位は「ハワイ」で161人
・コロナが明けたら行きたい国内ランキングの1位は「北海道」で265人
・実際に「行く予定がある」人は12.4%で9割近くの人は時期尚早と思っている
・周りの人が行きたいと言っている場所は「沖縄県」が213人と最多
新型コロナウイルスは変異に変異を重ね、世界を見てもその勢いは未だ衰える気配はありません。
日本では新型コロナウイルスの感染者は激減し、収束に向かいつつあるようにも感じられますが、その爪痕は深く、多くの人の生活が激変したことは言うまでもないでしょう。
どこに行くにもマスクが必要で、一歩施設に足を踏み入れればアクリル板やソーシャルディスタンスの距離を測るマークなど、冷静に考えてみれば異様な光景ですね。
また、油断をしているとあっという間に感染の再拡大となり、医療従事者や保健所職員に負担をかけることとなってしまいます。
1日も早く新型コロナウイルスが恐れることのない感染症となって、気兼ねなく出かけることができるようになるといいですね。