東海道新幹線に安く乗りたい、と思ったときに便利なのが「ぷらっとこだま」です。「こだま」号限定の格安チケットで、東京―名古屋や新大阪といった主要区間の価格が2割程度も安くなります。
「ぷらっとこだま」の歴史は意外と古く、初めて発売されたのは1990年です。国鉄時代にも「こだま」専用の割引きっぷがあり、その系統を受け継ぐ商品として登場したそうです。以来、四半世紀に及ぶロングセラー商品として好評を博してきました。
「こだま」は東海道新幹線の全駅に停車しますので、「のぞみ」に比べれば遅く、東京―新大阪で4時間くらいかかります。しかし、車両は「のぞみ」と変わらず快適。急がない旅なら「こだま」も悪くありません。
ともすれば「移動」になりがちな東海道新幹線の行程を、「各駅停車の旅」に変えてくれるツールでもあります。筆者も、何度となく利用してきました。
その「ぷらっとこだま」が大きく変化します。これまでJR東海ツアーズのウェブサイトでの販売だったのが、3月から「EXサービス」での扱いになります。東海道新幹線のインターネット予約サービスとして知られる、エクスプレス予約やスマートEXと同じシステムで販売されることになったのです。
併せて、チケットレス化も実現。あらかじめ手元の交通系ICカードを登録しておけば、チケットを受け取らずに新幹線駅の改札口を抜けられます。「ぷらっとこだま」は、チケットを受け取れる場所が限られているのが難点でしたが、これからは気にする必要がなくなりました。
価格も変わり、100円単位の値付けだったのが、10円単位になります。どうやら、区間によって差があった割引率を、距離に応じて同程度になるよう整理したようです。
新システムで実際に予約してみると、スマホですんなり操作でき、シートマップまで使えるようになっていて驚きます。
少し前までの「ぷらっとこだま」といえば、JR東海ツアーズの窓口でのみ販売していて、前日までにカウンターで買い求め、どんな席になるかは運次第、といった雰囲気があったのですが、すっかり昔話になりました。
欲を言わせていただければ、設定区間をもう少し増やしてほしいところ。熱海や豊橋へのプランを設定していただけると、旅の幅が広がるのですが。
(旅行総合研究所タビリス代表)