【テツ旅、バス旅 54】臨海地下鉄 鎌倉 淳

  • 2022年12月22日

 東京都が、臨海エリアに地下鉄を建設すると発表しました。区間は東京駅―有明・東京ビッグサイト間の約6・1キロ。途中に新銀座、新築地、勝どき、晴海、豊洲市場の5駅を設けます(駅名はいずれも仮称)。

 実現すれば、これまで交通アクセスが不便だった晴海地区に待望の駅ができるほか、東京駅から臨海副都心へのアクセスも便利になります。東京駅―有明間の所要時間は、約15分を見込んでいるそうです。

 この地下鉄計画は、比較的最近、浮上したものです。地元・中央区が調査を開始したのが、東京オリンピックの開催決定後の2014年度。つまり、計画浮上からわずか8年で建設が決まったわけです。鉄道計画としては、異例なほどのスピード決定です。

 背景として、臨海部の人口急増があります。2000年ごろ、中央区の臨海エリア(月島地域)の人口は3万人あまりでしたが、マンションが次々と建設され、いまや8万人近く。利用者が集中する都営大江戸線の勝どき駅は大混雑で、近年にホームが増設されたほどです。晴海フラッグの建設などで、今後も人口増が予想されていて、新たな軌道系交通機関が必要なのは明らかでした。

 計画が急がれたもう一つの理由として、首都高速の改良計画の進展も挙げられそうです。日本橋付近を地下化する計画が有名ですが、そのほかにも銀座付近のカーブ改良や、晴海線の建設計画もあります。首都高速の地下工事と臨海地下鉄のルートは一部で重なりますから、同時に施工することで、事業費の圧縮を狙っているのでしょう。

 まだはっきりしない点もあります。最大の疑問は車両基地の位置が明らかにされていないことです。鉄道事業に車両基地は不可欠ですが、沿線にまとまった空き地は見当たりません。

 直通先も未決定です。つくばエクスプレスを秋葉原から東京駅まで延伸させ、臨海地下鉄と直通運転する構想があるものの、つくばエクスプレス側から具体的な計画は出ていません。りんかい線との接続計画もありますが、こちらも構想段階のようです。直通先を決め、その沿線に車両基地を確保するのが合理的に思えますが、まだ公表できる段階にないのでしょう。

 臨海地下鉄は東京最後の地下鉄新線になる可能性もあります。開業予定は2040年ごろ。これから詰める話も多そうですが、少しでも早い開業を願いたいところです。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 
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