【テツ旅、バス旅 17】鎌倉市の新構想 旅行総合研究所タビリス代表 鎌倉 淳

  • 2021年6月16日

 北陸新幹線で金沢駅に到着し、コンコースを抜けると、有名な鼓門の隣にバスターミナルが広がります。香林坊など市街地に行くには、ここからバスに乗らなければなりません。

 10分ほどで着きますし、頻発しているので不便はありませんが、バスは行き先が多いので、慣れない旅行者は乗るのに神経を使います。香林坊まで鉄道が通じていたらラクなのに、と思ったことがあるのは、筆者だけではないはずです。

 遠い昔を振り返れば、金沢市には1967年まで路面電車が走っていて、金沢駅と市街地を結んでいました。路面電車の廃止後、地下鉄など新たな鉄軌道の検討が行われてきましたが、半世紀たった今も実現していません。

 最近浮上しているのが、LRT(次世代型路面電車)かBRT(バス高速輸送システム)を通そうという構想です。金沢港から金沢駅、香林坊、片町、野町を経て有松に至る約9キロの道路に専用走行帯を設け、路面電車か連節バスを走らせます。実現すれば金沢駅から市中心部へのアクセスが改善するでしょう。

 日本人は電車好きが多いからか、LRTへの期待が高いようです。確かに、旅先の駅から路面電車に乗ればワクワクして、旅のモチベーションが高まりそう。電車は路線網がシンプルなので、乗り間違いの心配が少なく、旅行者が気楽に利用できるのも長所です。

 しかし、金沢市のメインストリートは幅が広いとはいえず、道路の二車線を潰して軌道にするのはハードルが高そう。渋滞を心配するドライバーから強い反対が起こるかもしれません。

 道路の車線を潰すという点ではBRTも同じですが、軌道よりは専有面積が小さく、一部区間に限るなどの柔軟な手法が採れるので、導入しやすいでしょう。BRTとは要するにバスですが、シンボリックな車両を導入し、わかりやすい停留所を設置し、専用走行帯を頻繁に走らせれば、路面電車に匹敵する存在になり得ます。シンプルな路線網にとどめれば、「迷わずに乗れる」という電車に近い安心感も、利用者に与えられるでしょう。

 旅行者にとっては、主要観光地を網羅する数系統が頻繁に運行されていて、1日乗車券で利用できれば、使いやすそうです。

 地域の交通機関は地元の方が使いやすい形が何より大切です。ただ、金沢は観光都市ですので、旅行者にも配慮した乗り物であってほしいところです。

 (旅行総合研究所タビリス代表)

 
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