
全日本ホテル連盟会長 清水嗣能氏
世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2023 大阪・関西」が盛大に開催されますことに心よりお祝いを申し上げます。
昨年、ツーリズムEXPOジャパンが開催されるに当たり、「観光復活のファンファーレ」と題して、観光立国と観光産業の明るい未来に向けた希望の光を灯す大切な機会になるご期待を申し上げました。その後1年が経過し、政府の懸命なご対応、観光庁をはじめとする行政、観光産業に関わる皆さまのご尽力によって、国内観光、インバウンド需要が急速に回復し、都市部のホテルをはじめ全国の宿泊施設のADRが高騰し始めております。
コロナ禍の厳しい状況下において、宿泊業界から観光庁に、Go Toトラベルの再開等について要望した際、観光庁長官から「コロナ禍での損失を取り戻すつもりで行いたい」というご決意を伺い、非常に心強く思いました。その状況が今日、現実化していることは誠に感慨深いものがあります。
その一方で、新たな課題として、観光産業の人手不足の問題がクローズアップしています。少子高齢化社会が到来し、全国的に人口減少がみられる今日、日本各地において交流人口の拡大は喫緊の課題となり、地方の経済発展の要となっていますが、観光需要が急速に回復する中で、宿泊、旅行、バス、タクシー等の観光産業は、重大な人手不足に直面しています。
私どもANHAがご指導いただいている米国セントラルフロリダ大学の原先生によれば、全米一の観光地であるオーランドでもコロナ禍から立ち直る段階で同様の人手不足の問題に直面し、そのとき業界全体として売上増とともに労働環境の改善に取り組んだ結果、今では雇用環境は安定しているとのことです。
このたびの「ツーリズムEXPOジャパン2023 大阪・関西」において、わが国の観光の魅力を十分にPRしていただくとともに、観光立国の実現、観光産業の発展という大目標に鑑み、日本の観光の魅力を来場される多くの皆さまに知っていただき、観光産業で働きたいとの希望を持つ多くの方が誕生するよう、観光産業全体の労働環境の改善を促す契機にもなることを願っています。
「ツーリズムEXPOジャパン2023 大阪・関西」が、わが国の魅力ある観光の持続可能な発展を遂げる有意義なものになりますよう心よりご期待申し上げます。