【シニアマイスター経営の知恵 73】一寸先の光

  • 2018年12月6日

 すっかり雪をかぶった十勝岳では、エゾナキウサギが冬ごもりをし、厳しい寒さと暗がりの中で、うららかな春の木漏れ日に思いをはせているのだろう。与えられた環境で、限られた資源を効果的に活用し、どう生き抜いて自らの命を全うするか、まさしくマネジメントそのものではないだろうか。

 人口減少社会における地方創生の流れの中で、地域経営の観点から稼ぐ力をより向上させ、その土地ならではの豊かなライフスタイルを実現する、観光まちづくりの事例を各地に見ることができる。誰のためのまちづくりなのかと考えた時に、観光者ではなく、住民にとって魅力的な地域であることにまず焦点が置かれており、そのために観光を活用するというのがポイントだ。経営の神様・松下幸之助氏の言葉に「企業は人なり」とあるように、地域においてもやはり、根幹をなす最大の資源は人なのだと考える。地方創生とは、地域に住む方の満足度や幸福度を上げて、いかに笑顔につなげていくかではないだろうか。

 そのために最低限必要な2要件として、所得の確保という定量的な充足と、不測の事態にも安心して対応できる信頼関係の構築という定性的な要件が挙げられる。地域内経済循環の活性化や、来訪者を通した住民同士の交流が活発に行われることで、有効かつ即効性のある手段として、観光が寄与するところは大きい。

 言うはやすくで、事業の推進においては、光を見いだすことが難しい時がある。その土地ならではの「ひと・もの・こと」という現存する資源は、日常となると当たり前になり、価値を見失いがちになってしまうからだ。有限にあると考えていた機会は、千載一遇のチャンスであり、もっと積極的に、目の前にある資源に関与していけばよかったのだと気付くことができた。目を上げてみれば、すぐそこに光はある。

 全てが必然であり、貴重な機会。一期一会の心を持ち、目の前の方を笑顔にしたいという思いを大切に、私も光になっていきたい。

 (NPO・シニアマイスターネットワーク北海道ブロック担当ディレクター 仁木町地域おこし協力隊、浅川りえ子)

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