【シニアマイスター経営の知恵 122】私の二つの緊急事態 NPOシニアマイスターネットワーク理事長兼一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会会員 松下 衛


 新型コロナ禍のこの1年、医療関係や対策に日夜奔走されている皆さまに対して本当にご苦労さまと心から敬意を表したい。ホスピタルも大変ならホテル(旅館も)も大変で、新聞等によれば何軒ものホテル・旅館が閉館や休館に追い込まれている。そこで働いているさまざまな部門の従業員の苦闘の姿が脳裏に浮かぶ。

 原稿を書いている時、阪神淡路大震災発生26年になった。1995年1月17日早朝、起き上がることができないほどの激震を体験した。当時新設ホテルの建築PJに所属していた私は、自転車に乗って全壊している家や、燃える家屋を避け、倒壊している高速道路の橋げたをくぐり、ホテル建築現場にたどり着く。港の先端に崩れることなく立っている建物を見た瞬間の感激は忘れられない。その半年後の開業時の感動も深く脳裏に刻まれている。

 2020年新型コロナの第1波が、都市を中心として、世界中に瞬く間に広がった。現在は第3波とも第4波ともいわれ、収まる様子も見えない。一層の自粛とルールを守るように呼び掛けられている。1995年以降災害に対してさまざまな法整備がなされ、ボランティア元年とも呼ばれているが、中でも市民を勇気づけたのは、「がんばろう神戸」の言葉と、第2市歌に指定された「しあわせ運べるように」の歌である。2020年第1波以降もさまざまな対策が取られているが、コロナ終息後を見据えた新しい社会経済環境の支援整備など確実に進めてほしいし、何か閉塞(へいそく)感を打ち破る音楽がほしいと思っている。

 去年コロナが収束する兆しが見えて、観光産業の支援のためにGo To事業が始まった。10月末に京都へ行き1泊して、千本鳥居の伏見稲荷と清水寺へ行ってみた。清水の舞台から見る景色は実にさわやかである。清水寺も伏見稲荷もご存じのように、インバウンドには大変人気な場所で、両方とも常に団体客で埋まっていた場所であるが、海外との往来がない今、外国人客は見えず、混雑もなく本殿前で、早期の新型コロナの収束と観光産業の復活を心から念じた次第である。

 (一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会会員 松下衛)

 
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