【コロナ禍を乗り越える 宿経営サバイバル塾 18】不安と期待の中で 全旅連ポストコロナ調査研究委員会


 新型コロナウイルスの感染拡大は昨年末、少し落ち着きを見せたが、オミクロン株による感染者が増加している。長く続いた行動制限や営業規制によって、観光産業・飲食産業・宿泊産業は特に大きな打撃を受け続けている。

 昨年もそうであったが、昨年8月末から9月末までの緊急事態宣言はより大きな悪影響を与えた。この時期は、北海道観光のトップシーズンであっただけに、その被害額は申すまでもなく大きすぎた。政府の金融政策や雇用政策の施策により、事業の存続はなされているものの、これからがまた大きな苦労との戦いになることは間違いない。積み上げてきた資金を失い、新たな資金調達分の返済が始まるから大変である。さらなる金融対策も必要になるのではないだろうか。

 昨年10月1日の緊急事態宣言解除は、最も重要な宣言であったと思っている。苦しみ続け、2回目の年末年始を迎えた私たちの業界にとって、大きな明かりであったと感じている。

 北海道は「新北海道スタイル」の割引を実施し、連続して、道内全域の道民が利用できる「どうみん割」の活用による観光活性化へと大きくかじを切ってくれた。大変ありがたいことであり、閉塞(へいそく)感であふれていた社会に変化をもたらしている。

 ただ残念に思うことは、Go Toトラベル事業が再開するまでに長い時間を要していることである。一昨年Go Toトラベル事業真っ最中の10月を思い起こすと大変な活性化につながるが、半面感染拡大の懸念も考えなければならないことも理解できる。域内旅行に軸を置きながらも、Go Toトラベル事業に期待をするという流れなので致し方ない。

 将来の観光産業がどのように変わっていくのか、不安と期待の中で過ごしているが、せめて以前のように人々の交流が自由で楽しいものであってほしい。

 (担当副会長・西海正博=北海道美瑛町・大雪山白金観光ホテル)

    ◇  ◇

 【委員会より】

 2022年の幕開けとともに、わが国もオミクロン株の感染拡大に巻き込まれてしまいました。11月19日の発表以来、大変期待されていた全国一律のGo Toトラベル事業も、また各都道府県で実施されていた県民割も停止を余儀なくされています。

 年末の補正予算の成立によって、繰越分も含めて、1兆3千億円を超える予算が組まれていますが、先が見えない状態が続いています。この予算を延長していただき、オミクロン株の沈静化からGo Toトラベル事業の再開とともに延長をお願いしなければなりません。

 宿泊業は地域経済の担い手であり、仕入れや雇用を含めて、大きな影響を与える産業です。現状では、借り入れ増加によって、経営の維持が図られています。丸2年間、異常な状況の中でこれからの事業計画をどのように立てていくか。社内の資源を総動員して、この難局に立ち向かっていかなければなりません。

 
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