スイートルームでグランピング
岐阜グランドホテル(岐阜県長良川温泉)は、140超の客室、1430平方メートル超の広大なバンケットホール、チャペル専用空間「ウェディングフロア」などを有する中京エリア有数の大規模ホテルだ。立地を生かした「長良川鵜飼宿泊プラン」、地元の味覚を提供する「『美濃・飛騨おもてなし膳』お食事個室確約プラン」など、独自色の強いプランを展開する同館はこのほど、「スイートルームに泊まるグランピング宿泊プラン」を1日1部屋限定で販売している。9月30日宿泊分まで(予定)。導入の経緯などを、宿泊部予約センター課長の臼井隆さんに聞いた。
同館では2021年の年始後の閑散期の誘客に向け、企画部が「コロナ禍でも利用したくなる、話題性のある商品を」と思案していた。3密を避けられるグランピングの世間的な認知度の高まりをうけ、「宿泊するならテントではなく、ぜひ当館を利用してくれれば」(臼井さん)との思いから、観光関連のコンサルティングを行う企業と連携してコンセプトルーム「グランピングルームプラン」を整備し、“お試し商品”として期間限定で販売し始めた。
使用する客室は金華山や岐阜城、長良川の眺望を堪能でき、居間と寝室が分かれているスイートルーム。客室内にテント、寝袋、ハンモックといったキャンプ用品を備えるほか、「夜を感じられるように」との狙いのもとシャンデリア等の照明器具、テレビ等を撤去するなど、室内グランピング空間創造に徹底してこだわった。家庭用プラネタリウムも配備するなど、演出にも工夫を凝らす。ベッドルームは従来通りで、ベッド、テントいずれでも寝ることができる。夕食にはシェフ考案の「岐阜キャンプ飯」を用意し、飛騨牛のビーフシチュー、ミックスピザ、奥美濃古地鶏と美濃けんとんのグリルなど、地元の食材をキャンプイメージで提供する。
主なターゲットは「子供にキャンプを体験させたいが、親自身がキャンプやバーベキュー経験がないファミリー」「虫嫌いでアウトドアは苦手だが、キャンプ気分を味わいたい若い夫婦やカップル」と語る臼井さん。好評につき同プランは昨年3月31日に正式な商品となり1年間販売され、予約が好調なことから3カ月単位で延長されてきた。同館は昨夏に同趣旨の商品として、12畳の和室に持ち帰り可のポップアップテントを用意し、1泊2食付きで「エッ! タタミにテント宿泊プラン」も販売。「30張超のテントをお持ち帰りいただき、こちらも好評だった」と臼井さんは振り返る。
グランピング宿泊プランの詳細は同館公式ホームページhttps://www.gifugrandhotel.co.jp/から。
客室。各キャンピンググッズを配備し、同館独自のグランピング空間を仕上げた
夕食には「岐阜の味覚」と「キャンプディナー」の要素を詰め込んだ