【オマツリジャパンの毎週祭日 134】全国でも珍しい女性の荒行 お祭りライター・相澤美奈

  • 2022年7月11日

岩手山をバックに歩く参加者(写真提供・八幡平市役所)

平笠裸参り(岩手県八幡平市)

 平笠裸参りは岩手県八幡平市で、毎年1月8日に無病息災、家内安全、五穀豊穣を祈願し行われるお祭りだ。昭和56(1981)年3月には八幡平市指定の無形文化財に指定されている。

 祭りの由来は、享保4(1719)年、岩手山噴火の鎮静化を祈願するため、男性だけで行われたのが始まりと伝えられている。岩手山は1732年に噴火し、現在の焼走り熔岩流ができた。その後、太平洋戦争が始まり、留守を預かる女性たちにより、出兵した夫や息子の武運長久(戦場や戦闘の地で、命や幸運が長く続くこと)を祈願して行われるようになった。つまり、家族の無事を願う愛のお祭りなのである。今は、家族の健康や受験などを祈願する人もいるといわれる。

 裸参りの参加者は、口に紙をくわえ、頭にサラシ、体は白い肌着、足元は白足袋に草履、腰には白い房にケンダイと呼ばれる白いビニールで作った腰蓑のようなものをつける。以前は町にあった山ポプラの葉を使用していたそうだ。

 朝8時30分、裸参りの一行は厳冬の中、八幡平市平笠にある宮田神社を出発し大更の八坂神社までの約8キロメートルをおよそ5時間かけて、歩き通す。神官、のぼり、お賽銭(さいせん)、燭台(しょくだい)、お供え、お神酒、験竿・鈴の順に並び、悪霊の侵入を防ぐために口紙をして無言で歩くのである。参加者は女性が多いが、今は男性も参加している。

 道中、日が差すことがあるが、吹雪くとより風が体にこたえるという。以前、裸参りに参加した筆者の友人(女性)は「とにかく寒かった。岩手山からの風に体の芯から冷えたけど気持ちがシャキとした」と話してくれた。

 保存会の方々によると、「最近は、地元平笠小学校からの参加があるものの、大人の参加者が少しずつ減ってきている。参加者募集していますよ」とのことだ。お祭りが近づくと、八幡平観光協会のホームページで参加者の募集要綱を確認できる。この記事を読んで気になった方は、ぜひ参加してみてはいかが。

(お祭りライター・相澤美奈)

【オマツリジャパン】
日本初の祭りサポート専門会社。「祭りで日本を盛り上げる」を目標に掲げ、祭りのコンサルティング、プロモーション、日本最大級のWEBプラットフォーム運営など、地方創生に取り組む。https://omatsurijapan.com

岩手山をバックに歩く参加者(写真提供・八幡平市役所)

 

 
新聞ご購読のお申し込み  ベストセレクション

 メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

第35回「にっぽんの温泉100選」発表!(2021 年12月20日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位別府八湯

2021年度「5つ星の宿」発表!(2021年12月20日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?

第35回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2022年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2022年度「投票した理由別・旅館ホテル100選」(2022年1月17日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On YoutubeVisit Us On Instagram