
今年1月、観光庁は「2015年度 ICTを活用した訪日外国人観光動態調査」の結果を発表した。調査期間は15年1月から16年1月までの1年間で、以下のデータを取得した。
・携帯電話の基地局情報(ローミングデータ)月約30万台
・所在状況(都道府県別、地域別)
・時間帯別(昼=観光時間帯、夜=宿泊時間帯)
・携帯電話のGPS情報(訪日外国人データ数、延べ2万5千人)
・移動状況、詳細な所在状況、訪日回数などの把握
・SNSでの投稿情報(訪日外国人データ数、延べ約11万6千件)
・関心をもった観光地等(見るもの、食べ物、買い物)の把握
また、訪日外国人の旅行動態の実態を得て潜在的なニーズを把握するという目的で、調査を実行。得られたデータ、分析内容をこのほど発表した。
データのポイントは次の通り。
・基地局分析=宿泊時間帯における訪日外国人の集積状況では、午前4時台は東京と大阪に集中している。次に集中がみられるのが、北九州エリア、札幌エリア。
・GPS情報分析=隣接する都道府県間の流動を見ると、圧倒的にゴールデンルート(東京から京都・大阪)に集中。
・主要5カ国(中国、台湾、香港、韓国、アメリカ)のSNS投稿情報分析(ゴールデンルート上)では、以次のランドマークが人気の上位を占める。新宿、銀座、浅草、上野、渋谷(東京)、富士山(静岡、山梨)、ミナミ、心斎橋、道頓堀(大阪)、名古屋(愛知) 箱根(神奈川)。
・主要5カ国のSNS投稿情報分析でゴールデンルート以外のランドマークでは以下が人気。河内藤園、大宰府天満宮、能古島、大濠公園(福岡)、大雪山、函館山、北海道大学札幌キャンパス、すすきの(北海道)、南京町、姫路城、有馬温泉(兵庫)、足利フラワーパーク(栃木)。
・主要5カ国のSNS投稿情報分析「食べる」関連の発言では、ラーメン、ビール、寿司、牛肉、お好み焼きが人気。
・主要5カ国のSNS投稿情報分析「買い物」関連の発言ではお菓子、本、バッグ、コスメ、カメラが人気。
※次号(5月)にこれらデータで旅館・ホテルとしてどのような施策が考えられるのかを掲載する。
(コレリィアンドアトラクト代表取締役)