2022年の夏が終わりを迎えた。3年ぶりの忙しい夏であったにも関わらず、限られた人員での運営を強いられた施設も多く、負担が大きかった夏であった。そのような中ではあるが、のどもと過ぎて熱さを忘れないように夏の振り返りを行っておきたい。
まずは、何といっても過去最大級に人手不足に悩まされた夏であった。さまざまな要因があるものの、やはり第7波によるスタッフ自身の陽性や濃厚接触化による離脱が拍車を掛けた印象だ。ただ、コロナという要因を除いても人手不足の課題が一朝一夕で解決できる見通しはなく、来年の夏や直近で言うと秋の3連休を見据えて対策が必要である。
まずは採用もマーケティングであるという以前にも述べた通りであるが、採用をマーケティング観点から強化することは必須である。今後は、採用力のある施設=運営力に直結するであろう。
次に着目すべきは食事プランの取り方である。1泊2食で全ての客室を満室にするということが現実的ではなくなってきているので、あらかじめ1泊2食では○○席、○○名、○○室と算出しておき、1泊2食、1泊朝食、素泊まりをバランス良くとる販売オペレーションを構築することが求められる。「売り上げ」「利益」「オペレーション」が最適化するポイントを「黄金比率」と勝手ながら呼んでいるが、それを算出してほしい。
次の振り返りのポイントであるが、お盆(8月11~15日)の予約状況である。この日程において、空室が目立つ結果である場合は、(もちろんエリア特性や災害の影響など特殊要因は除く)これからの時代において最も大事な「個人のお客さまに選ばる」という状態になっていないということである。その事実を重く受け止め、「どうしたら個人のお客さまに選んでいただけるようになるか」ということを真剣に突き詰めて考えねばならない。
最後に、単価を上げた施設も多かったと思うが、顧客満足度はどうであったかという振り返りも大事である。これらの振り返りを基に、秋の行楽シーズンに備えていきたい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)