【インターネット徹底集客 289】高付加価値化事業について 内藤英賢


 「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」(以下、高付加価値化事業)の第2回の審査結果が発表された。同事業は昨年から続くものであるが、同事業について地域の方々と話をすると、おおむね三つのパターンに分かれていた。(1)当然のごとく、同事業を理解しており、最大活用して自施設の高付加価値化を考えているエリア(施設)(2)存在を知らず、知ったところで特に動くこともなかったエリア(施設)(3)存在は知っており、いろいろと動いたが地域でまとめあげることができずに見送りとなったエリア(施設)―である。

 そして、第1、2回の採択結果を見ると、(多分に主観が混じっており、ご容赦いただきたいが)常日頃より観光への感度が高く、エリアとしての観光地の魅力がそもそも強いエリアが多いように感じられた。これが何を意味するかというと、強い観光地力を持ったエリアにさらなる高付加価値化が図られ、一層観光地としての魅力が増すということである。観光がもはや世界レベルのエリア間競争であるので、日本全体として見た時に、これは正しい一つの解であるとは思うが、一方で、現状、観光地力の弱いエリアとの差がさらに開くということも意味する。

 もちろん、同事業は望めばどのエリアでも対象になるというものではないが、それでも、そのエリアの観光を何とかしたいと思っている経営者がいるのであれば、同事業にチャレンジしない手はないと思う。少し厳しい言葉にはなるが、そのような経営者が5名もいないエリアの観光地の未来は厳しいと言わざるを得ないであろう。

 今年度の同事業の募集は終了してしまっているが、昨年、本年に続き次年度があるかもしれない。その場合に備えて、冒頭で述べた(2)や(3)のエリアに属しており、なおかつ現状の観光を何とかしたいと考えている方がいれば、まずは1人からでも立ち上がり、周囲に声をかけていくべきだと思う。例えその動きは、高付加価値化事業の採択に至らずとも、どのような高付加価値ができるかを施設ごとで考えて、エリアとしてどのような調和を満たすかと考えることは決して無駄にはならないはずである。

(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

 
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