【インターネット徹底集客 281】補助金の方針と活用方法 内藤英賢


 3月から4月にかけて大型補助金が二つリリースされた。一つは「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」、いわゆる「高付加価値化事業」で、もう一つは「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」、いわゆる「看板商品創出事業」である。それぞれの補助金の詳細条件などは割愛するが、今号では補助金の方針や活用方法について考えていきたい。

 昨年度までは新型コロナ対策に関する補助金が多数だったことを考えると、上述の二つの補助金の性質はかなり異なる。いずれも「地域全体の活性化」と「反転攻勢に備えた付加価値アップ」という性質のものであることが伺える。観光庁の方針からしても、今後も「滞在型コンテンツの開発」や「体験型コンテンツの開発」に重点が置かれることは明白なので、それらのコンテンツ開発を考えている事業者はうまく活用すると良いであろう。

 そしてもう一つの特徴は、公募受付期間の短さである。共に2週間~1カ月程度である。これは公募が始まってから考え始めたのでは到底間に合わない。つまり、前もって構想を練り、関係各社と連携をしておく必要があるということである。ある意味で、これは補助金のスタンスとして正しい。「補助金を獲得するための事業」となっては意味がないからである。その地域にとって「必要なモノ」として構想されていた事業に対して、補助金で資金的な後押しを受けて事業を円滑に進めることができるというのが本来の在り方である。「必要なモノ」というのはそれが事業として成り立ち、地域経済にとってプラスとなるという点が一番大事である。

 2021年12月に出された「観光庁関係予算決定概要」にこれからの方針が記載されている。大きく分けると(1)滞在型コンテンツの創出(2)人材確保・育成(3)DXの推進(4)海外ゲストの受け入れ整備強化―である。新たに事業や投資を考えている方で、上記の方針と合致する構想がある方は活用を考えると良いであろう。そして、繰り返しであるが、補助金が公募されてからでは間に合わないこともあるので、投資計画や事業構想はあらかじめ進めておくべきである。

 (アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

 
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