【インターネット徹底集客 278】人材不足と採用マーケティング2 内藤英賢


 前号にて、今後さらに深刻化するであろう人手不足問題の解決のために、採用活動をマーケティング観点から見直すことをお伝えした。求職者を自施設の顧客と捉えて、活動をする必要がある。やや古典的ではあるが、いわゆるマーケティングの4Pに基づいて整理していきたい。

 最初のPはプロダクト(商品)であるが、これは自社の「募集要項」である。募集要項が魅力的なタイトルになっているか、その宿で働くことの魅力が伝わる写真や文章になっているかを、今一度チェックしてみてほしい。勘の良い方はお分かりであると思うが、これは旅行者に選んでいただくために皆さまが工夫の限りを尽くしている宿泊プランと同じ原理である。

 例えば、「仲居募集」というタイトルよりも「未経験者でも大歓迎♪ 年収○○○万円~! 快適な寮完備! 20代が中心の職場です! 仲居さん募集」とタイトルに記載した方が明らかに魅力的であることは疑いようがない。私どもも求人サイトを運営しているが、明らかにそのようなタイトルを付けている宿の方の応募率が高い。

 続いてのPはプライス(価格)。これは端的に言ってしまうと給与を含む条件面である。もちろん、高い給与を提示できるに越したことはないが、限界はあるので、給与面以外にも前述の寮の情報や福利厚生やキャリアプログラムなどの応募者にとって魅力が感じられるものが掲載できているかチェックが必要である。

 三つ目と四つ目は、一括りにしてしまうが、プレイス(媒体)とプロモーション(広告)である。こちらもOTAと自社Webの関係のように、求人メディアと自社の採用サイトと考えると分かりやすいかもしれない。時代的には採用活動もやはりWebが中心となっている。Indeedほか、求人検索エンジンの攻略なども大事であるが、ここでは割愛したい。少なくとも、自社の採用サイトは今後の時代を考えても必須であり、それは集客するのにHPを持たないようなものである。

 このように見てくると、見直す余地がある部分も多いのではないかと思う。人がいないと嘆く前に、どうしたら応募者から自施設を選んでもらえるかという観点で見直すことをお勧めしたい。

 (アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

 
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