2021年夏の予約状況について各地で所感が出ているが、結論的にどこも芳しくない。やはりコロナが完全収束していない状況に加え、主要都市では緊急事態宣言やまん延防止法が適用されていることが旅行ムードにブレーキをかけている状況だ。今号では、まだ間に合う夏の対策というテーマで直前でもできる対策について考えていきたい。
前提として、自施設のポジションを理解することが必要である。エリア全体としては芳しくない状況であることが多いが、(あまり好きな言葉ではないが)勝ち組と負け組がはっきりと分かれてしまっている印象を受ける。それは、コロナの影響で団体旅行や募集ツアー旅行やインバウンド旅行など多様なチャネルが失われて、ほぼウェブ個人による集客1本足になっている状況と関係している。つまり、コロナ前からもWeb個人で集客できていた施設は、好調に推移しているケースが多い。一方で、そうでなかった施設は厳しい状況に陥っているように見受けられる。この時点で、取るべき対応が異なるので、自施設のポジショニングを認識することが大事である。
その上で、集客に苦戦している施設を想定して考えていきたい。まずは、地域観光事業支援に基づく、県民キャンペーンを十分に生かせているかという点をチェックしてほしい。7月12日以降、各県で続々と支援策が始まっているので、徹底的に有効活用をしてほしい。Go Toと異なり県民のお客さまの中でも知名度がないケースも多いので、HP上での情報配信、メルマガやSNSでの配信、OTAでの露出などできていないことはないであろうか? 今一度チェックしてみてほしい。
続いて、直前プランやOTAのクーポン対策など直前で旅行を決めようとしているお客さまに対する決定打となり得る策を用意しているかという点もチェックだ。予約が非常に間際化している現状はお伝えしてきたが、この夏もその傾向は変わりそうにない。業界全体としては間際化に歯止めをかけたいところではあるが、現状ではそうも言っていられないという状況の施設も多い。そのような中では、きちんと間際でも集客できる策は必要である。
夏はスタートしたばかりである、ワクチン接種者は後半に向けて増えてくるはずなので、諦めずに対策を打ち続けてほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)