【インターネット徹底集客 262】宿と体験コンテンツについて 内藤英賢


 短期施策と並行して、中長期施策としてアフターコロナで起こる出来事について複数回にわたり記載しているが、今号では「宿と体験コンテンツ」について述べたいと思う。

 アフターコロナ時に個人の予約が加速し、オンライン予約が伸長するという予測の中で、個人のお客さまに選ばれる理由の一つとして、その地域その宿で「何を体験できるか」が大事なポイントになってくる。特にSNSにより1億総メディア化した現代では、お客さまは特別な体験を欲している。

 体験コンテンツを活用するにあたり、大切な点が2点ある。一つ目は、その地域その宿で体験できるコンテンツをきちんと把握することである。灯台下暗しではないが、その土地その宿にあまりに長いこといると全てが当たり前になり、地域の魅力の再発見が難しくなるケースがあるので外部の意見なども聞くと良い。

 二つ目は、そのコンテンツを「きちんと情報配信する」という点である。こちらの方が課題として深刻であると感じることが多い。その地域その宿で体験できることをきちんとホームページやOTA、SNSで発信することが大事である。宿の人に聞くと、あれこれ教えてくれるケースが多いが、逆に言えば尋ねないと教えてくれないというのは、どれだけ多くの人がその魅力的なコンテンツに触れることなくその地域その宿を去っているかということでもある。実にもったいない。

 例えば、この土地では「6月に3千匹のホタルが舞います」とか、6月に当館では「雨なのに楽しめる星空ツアーをやります」とか、コンテンツは千差万別であろうが、それをきちんと発信している宿はまだまだ少ないと感じている。数年前に提唱した「アクティビティ」というコンテンツを保持している宿が今も数えるほどしかないのではないだろうか。

 今後は、お客さまはタビマエにそのような体験コンテンツを(きちんと情報配信できていれば)事前予約することができ、来館したタビナカ時においても、モチベーションが上がっているので(きちんと情報配信できていれば)体験コンテンツをやってみようと思い、最終的なタビアトでその体験をクチコミやSNSで発信してくれるというのが、スタンダードな過ごし方になるであろう。

 そのようなお客さまの行動に即した、過ごし方のリデザインが、アフターコロナでは必要である。

 (アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

 
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