
5月25日に緊急事態宣言が首都圏を含め、全面解除となった。これで徐々に経済活動が再開することとなるが、すでに先行して緊急事態宣言が解除されたエリアでも出足は鈍い。そこで目下、施設側の一番の関心ごとであったのが「Go Toキャンペーン」だったが、こちらが7月下旬に開始されることも同時に発表された。これは大打撃を受けた観光業界にとっては、非常に大きな朗報であり、多くの施設が安堵(あんど)のため息をついていることであろう。
では、そのGo Toキャンペーンを迎えるに際して、有効な対策は何かを考えてきたい。詳細が未発表なので、現時点で分かっている情報を基にしている点はご了承いただきたい。
まず、何よりも感染拡大を防止しなければならないと思う。ここで、仮に対策を怠り、感染を拡大させてしまえば、せっかくのGoToキャンペーンも中止せざるを得なくなり、対策を講じなかった施設のみならず、観光業界全体に大きな影響を及ぼす可能性もあるので、しっかりと対策を講じたい。具体的な対策については旅館・ホテルの各業界団体からガイドラインが発表されているので、そちらを参考にして、できる限りの対策を実施してもらいたい。また、そうした取り組みをきちんとウェブなどで掲載して、お客さまへの安心感を与えることも重要である。
感染防止対策を実施した上でGo Toキャンペーンを活用した対策となるが、現状ではキャンペーンの内容は次のようになっている。「旅行会社などを通じて旅行商品を購入した場合、代金の半額分の割引クーポンが付与される仕組み。また旅行代金を割り引くだけでなく、土産や施設利用の割引券などと組み合わせることで、旅先での消費喚起を狙う」。従って、今までの自粛の反動も相まって、消費単価が上がる可能性があるので、高単価の商品の造成は必須であろう。
また、土産や施設利用の割引券とあるため、地域一体となっての取り組みが大事であると想定される。そのような取り組みはキャンペーンが終了した後も、地域の観光資源として残り続けるものであるので、ぜひ地域の観光事業者同士が一体となって、本キャンペーンを成功に導くために知恵を出し合ってほしい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)