
5月4日に緊急事態宣言の延長が公表された。期間は5月31日までであるが、14、21日に現状をモニタリングしながら、部分解除の可能性があることも併せて発表された。
過度の気の緩みは禁物ではあるが、経済へのダメージから出口戦略についての議論が盛んになっている。その中で、宿泊業界ではどうなるのかを仮説を立てて予測してみたい。なお、一個人の私見であることは付け加えさせていただく。
まず、何をもってしても緊急事態宣言の解除が全ての前提となる。仮に5月31日をもって解除されたとしても、即時に以前のようにビジネスもレジャーもお客さまが戻ってくるとは考えにくい。緩やかに徐々に戻ってくると考えて、6月以降の対策を立てるべきであろう。そして、この間は「ウィズ・コロナ」の時期となる。従って、前回述べたような3密を回避する対策が必須になると想定される。逆にいえば、3密を避けた新スタイルの旅行プランを提案できた施設が勝ち組になるということになるかと思う。
そして、次の段階としては、すでに発表されているように「Go to キャンペーン」が大きな節目になるであろう。Go to キャンペーンの詳細の説明は既知だと思うので割愛するが、関心の一点は「いつ出るのか?」という点であろう。こればかりは、状況次第で誰も分からないというところではあるかと思うが、多くの事業者が望むのは、やはり夏に間に合うように出てほしいという願いであろう。
従って、「夏にキャンペーンが開始する」というパターンと「秋以降にキャンペーンが開始する」という二つのシナリオをもって、夏以降の戦略を組み立てる必要がある。キャンペーンは半年間とされており、その先のことは、この間にビジネス、レジャーの動きがどう変容していくかを観察しながら、自らも変容していかなければならない時代になる。
何度も繰り返しになってしまうが、あらゆる情報をキャッチして、それに合わせて複数シナリオを想定して、準備して動いた施設のみが生き残るという時代に突入してしまったので、足元が厳しい中ではあるが、思考だけは止めずに行動し続けていただきたい。
(アビリブ・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)