「料理のコスパ高い」と評判
第897回よその旅館ホテル
──セールスポイントを教えてください。
「施設は古いし、これといった付加価値もありません。大手旅館と戦えるのは、料理と温かなハートの部分だと思っています」
──料理はどういった内容でしょうか。
「魚貝をメーンに能登の旬の食材を使った会席料理です。焼き物や御造りなど、細々と手を加えず、素材を生かしています。お客さまからは『食べきれないほどの量があって、コストパフォーマンスがとても高い』と好評です。別料金になりますが、能登牛の料理も出しています」
──浴場の特徴は。
「浴室は大きくありませんが、和倉では数少ない源泉掛け流しの湯です。24時間、泉質の良い温泉にゆっくりとつかれます。湯温はかなり熱めです」
──客層は。
「夫婦やアベックが主ですが、最近は一人旅の若者が増えています。そのため一泊朝食や素泊まりのプランが売れています。若い人はお金を節約して地元のおいしい寿司屋やラーメン店などで食べるようです。高齢化が進んで、お年寄りの女性が一人で泊まるのも珍しくありません」
──予約の方法は何が多いですか。
「じゃらん、楽天、自社ホームページなど予約の9割以上がインターネットからです」
──経営の課題はありますか。
「開業して25年経つので、傷んだ客室を数年前から一室ずつ直してきました。残るのは一部屋で、他の旅館から『暇な時期でも特別室だけは売れる』と聞いているので、これを和洋室の特別室に造り直すか検討中です。和室のままリフォームするよりも改修料金がだいぶ高くなるので悩んでいます」
【10室。平日1泊2食付き9千円(税別)から】