数寄屋造りの特徴残す
第873回よその旅館ホテル
──国登録有形文化財の宿です。
「昭和8年、鹿児島の宮大工によって建てられた人吉旅館は、昭和初期の数寄屋造りの特徴を色濃く残し、日本の伝統と『侘び・寂び』の精神を今に伝える純和風旅館です。球磨川を眼下に臨み、せせらぎを聴きながらゆっくりした時間を楽しめます」
──客室も歴史を感じます。
「21室それぞれの意匠が異なるのが特徴です。創業時の姿を残す中央棟の客室は、創業から変わらない古式豊かな客室。他では味わえない和の伝統を感じさせる空間です。昭和55年に建てられたモダンな印象の客室も4室あります。温泉ではありませんが、すべて内風呂付きの客室です」
──温泉は。
「とろみ感のあるお湯の泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉。皮膚の角質を柔らかくし、古い角質を落とす効能で『美人の湯』として愛されています。浴槽の深さが80センチ、たっぷりのお湯を木のベンチに座って楽しむ浴室と、広々として野趣あふれる岩風呂風の浴室の二つのタイプがあります。時間によって男湯、女湯を使い分けています。家族風呂も2カ所あります」
──料理は。
「夏は、刺し身や塩焼きの鮎づくしの料理、冬はヤマメ料理が人気です。地元産の黒豚鍋や女将の母国の韓国料理も好評です」
──客層は。
「10年前までは中高年の夫婦が多かったのですが、最近は若い方も多くなりました。ラフティングやアニメ『夏目友人帖』の聖地めぐりなどが目的です」
──料金は。
「大人2人1室利用、1泊2食付きで1人1万3650円からです」
【定員95人】