「LGBT法」私はこう思う 観光経済新聞が主要旅館にアンケート


努力義務、過半数が「行う」 6割超がトラブル増の不安

 性的少数者(LGBT)について国民への理解増進を図る「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(LGBT理解増進法)が6月16日に国会で成立、同23日に施行された。観光経済新聞社はこのほど、全国の主な旅館200軒に同法に関する緊急アンケートを実施。事業者に課せられた理解増進の努力義務について過半数の54%が「行う」とする一方、法律の施行により現場でトラブルが発生、増加すると不安に思う事業者が6割超に上った。

 調査は6月27日、全国の旅館200軒にファクスで回答用紙を送付。今月3日までの回答を求めた。期限までに52軒から回答が寄せられた。

 LGBT理解増進法は、国や地方公共団体に対して性的指向とジェンダーアイデンティティ(性自認、性同一性)の多様性に関して国民への理解増進を図る施策を策定、実施するよう求めたほか、事業主に対しても従業員向けの研修の実施や就業環境に関する相談体制の整備を求めたもの。いずれも努力義務で罰則はない。

 アンケートでは、これら努力義務について「する」「しない」「その他」の3択方式で聞いた。結果、過半数の54%(28軒)が「する」と回答し、「しない」は17%(9軒)にとどまった。このほか「その他」が29%(15軒)。「検討中」「今後の動向を見て考える」「まだ不勉強で何をすべきか分かっていない」などがコメントにあがっている。

 大浴場やトイレでLGBT関連のトラブルが発生、増加するのではと一部で不安の声が上がっている。これについて「思う」「思わない」「その他」の三つから一つを選んでもらったところ、「思う」が62%(32軒)と6割超を占めた。「思わない」は23%(12軒)にとどまり、「その他」が15%(8軒)あった。

 LGBT関連のトラブルが過去に自館で発生したかどうかも聞いた。90%(47軒)が「ない」とする一方、「ある」が10%(5軒)と少数ながらあった。「女性への転換手術中の方が女性用の大浴場に入られて、他のお客さまから『どうなっているのか』と説明を求められた」「深夜、外国人の男性同士が仲良くなっていたところに親子連れが遭遇。父親が注意をしたところ、差別されたと大騒ぎになった」「採用面接において応募者から『LGBTへの対応について、取り組んでいることはあるか』と質問を受けた。的確な回答ができたか、確信を持てていない」などの事例があがった。
同法に関しての意見も自由記述式で聞いた。主な内容は次の通り。

ペイウォール会員向け記事です。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒