「ASOロゲイニング」が人気 熊本県阿蘇地域


人気のイベント「ASOロゲイニング」(2021年)

 阿蘇地域8市町村の中心に位置する阿蘇カルデラは東西18キロ、南北25キロという日本最大、世界でも最大級のカルデラだ。その珍しい地形から2009年に日本ジオパーク、2014年に世界ジオパークに登録されている。カルデラには約5万人が暮らし、農業にも多くが従事。巨大な草原を野焼きや採草で維持・管理したり、本来、農業には不向きだった酸性の土壌を長年かけて改良するなど、地域の取り組みが価値あるものと評価され、2013年は世界農業遺産にも登録されている。

 火山帯に位置するため、温泉が豊富。内牧、黒川、杖立、わいたなど、人気の温泉地が点在する。

 自然を生かした体験型観光は、普段は部外者が立ち入ることのできない放牧が行われる草原(牧野=ぼくや)に入り、専門のガイドとともに歩いたり、自転車で走る「牧野トレイルウォーク」「牧野ライド」が人気だ。

 山林のオフロードコースを四輪バギーで走るダイナミックな体験ができる「楽園波野」は、2021年に誕生した新しい体験型施設で、こちらも人気のスポットとなっている。

 食は阿蘇の草原で育ったあか牛の肉を使った「あか牛丼」が有名だが、この肉を使ったハンバーグを第2のヒット商品にするべく阿蘇地域振興デザインセンターがこのハンバーグを味わえる飲食店のガイドマップを作成している。

 同センターは、阿蘇管内の寺に宿泊し、座禅や写仏、写経を行ったり、精進料理を賞味する体験コンテンツの造成を進めており、近くOTA(オンライン・トラベル・エージェント)を通じて販売する予定。阿蘇のさまざまな分野で活躍する女性が選んだ地元の”穴場”を巡るツアーも今年度中に販売する予定だ。これらは観光庁が進める「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」に採択されている。

 地域における観光推進の人材を育成しようと、「阿蘇地域観光リーダー育成講座」が同センターの主催で開催されている。2022年度は管内8市町村の観光に関わる12人が受講。1月17日は22年度最終の講座が行われ、受講者が管内の観光消費額を上げるためのアイデアを発表した。

 登山地図GPSアプリを開発するヤマップ(本社=福岡市)と提携し、同センターが主催する「ASOロゲイニング」は、2019年に始まった同地域屈指の人気イベントだ。ヤマップの地図を使い、山のチェックポイントを制限時間内にどれだけ多く回れるかを争う競技。今年度は昨年11月19日に小国町、南小国町、産山村の北阿蘇エリアで開催。約250人が競技を楽しんだ。参加者は回を追うごとに増えているという。

 県内の菊陽町で台湾の大手半導体メーカー「TSMC」の工場建設が現在進んでいる。台湾の技術者とその家族、約2千人が県内に移り住む予定だ。

 同センターは台湾を観光客誘致の最重要ターゲットと認識。誘致のための具体的施策を今後検討する。


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