日本観光振興協会(山西健一郎会長)は1日、東京都内のホテルで記者会見し、「日本の観光再生宣言」を発表した。観光の灯を消さず、観光産業の生産性やプレゼンスの向上を図ることをうたった。また、Go Toトラベルついては、新型コロナウイルスの感染が一定程度収まり次第、可能な地域から再開するよう求める考えを明らかにした。
日本観光振興協会が発表した「日本の観光再生宣言」の全文は次の通り。
□ □
日本の観光は、地方創生の切り札として2019年にはインバウンドが3188万人、アウトバウンドが2008万人、日本人の国内宿泊旅行者数は3億1162万人と大きな成長を遂げ、国内消費額は他産業への波及効果を含め55兆円を超える日本の基幹的産業であり、日本経済をけん引するとともに、さらなる成長が期待される分野である。
観光は、運輸、宿泊、旅行、飲食、小売などのサービス業、さらには農林水産業に至るまで裾野が広く、雇用者数は900万人と全産業の1割を占めるとともに名目GDP成長率への寄与率は4.5%となり、地域経済の下支えとしても大きな役割を果たしてきたところである。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本人の国内旅行消費額は2020年5月には前年比約9割の減少となるなど、その需要は蒸発し極めて厳しい状況に置かれている。昨年5月には前年比84.9%減まで激減した宿泊者数もGo Toトラベル等の支援により11月には前年比30.5%減まで回復し一息ついたものの、その後の感染拡大で再び減少しており、さらに厳しい状況に陥っている。
このままでは、中小企業や個人事業主はもちろんのこと大手も含めて危機的な状況となり、地域の経済や雇用に及ぼす影響も甚大なものとなる。もちろん、命と経済活動の対立になってはならず、国民の皆さまの不安を払拭(ふっしょく)するため、これまで以上に感染防止対策に力を入れる覚悟である。その上で、緊急事態宣言が解除され、今後、感染状況が一定程度収まった後には、可能な県内からでもGo Toトラベルの再開等を期待するものである。
旅は、新たな感動や心身の活力を呼び起こし、双方向の交流によるグローバルな学びの機会を提供する重要な営みであり、日本は各地に自然、食、文化、歴史といった優れた観光資源を有し、インバウンドも含め必ずや再生しさらに振興するものと確信している。
今こそ観光業界は、私たちの果たす役割の重要性を再認識し、一致団結してこの危機を乗り越え、日本の観光の再生そして未来に向かってともに歩むことをここに宣言する。
1.今を乗り越えるために~観光の灯を消さない~
観光業界は業界を挙げて感染症予防対策に徹底的に取り組み新型コロナウイルス感染症の収束に寄与するとともに、ニューノーマル時代の新たな観光のあり方を既存概念を打ち破って追求することにより、事業を継続・雇用を守り、危機を乗り越えていく。
2.観光の再生とレジリエンスを高めるために~観光産業の生産性の向上~
観光産業のデジタル化や業界を超えたネットワーク化の推進と、社会的価値のある観光関連事業を継承するための仕組みづくり、人材の確保や育成に取り組むことで、生産性が高く働きがいのある魅力的な産業を目指す。働き方改革や集積されたビッグデータ、ネットワークを生かし、観光産業の再生に向けて新たな観光需要を創出することで、観光先進国を目指していく。
3.地域社会の発展に貢献するために~観光産業のプレゼンス向上~
観光産業に携わる一人一人が、引き続き地方創生の重要な役割を果たしていく気概を持たなければならない。加えて、幅広い業種との連携・共創を強く働きかけていくとともに、観光施策を通じて持続可能な地域社会を実現していく。




