
乾杯の発声を前に、日韓の関係者らが法被姿で顔をそろえる
日韓の人的交流さらに拡大へ
羽田空港(東京)と金浦空港(韓国・ソウル)間の航空便就航20周年を祝う記念式典が11月29日、東京のホテルニューオータニで開かれた。日韓両国の政府、航空関係者らは、同便による両国の人的交流促進の効果を強調するとともに、さらなる交流拡大を期待するあいさつを述べた。
全日本空輸(全日空)、日本航空、日本空港ビルデング、東京国際空港ターミナルの4社が主催した。主催者を代表して全日空の井上慎一社長は「1998年の日韓共同宣言以降、両国の交流が盛んになり、2002年のサッカーワールドカップ共同開催で航空路線拡大の機運が高まった。国内線専用空港への就航に困難を伴ったが、日韓友好の象徴にしたいと皆さまの熱い思いで開設の英断につながった」とこれまでの経緯を交えてあいさつ。
来賓の菅義偉前首相、日韓議員連盟会長は「羽田―金浦路線は日韓の人的交流の基盤となった。両国間の航空便数はコロナ禍前にほぼ回復した。韓国からの訪日数は(今年10月に)63万人。(日韓線は)インバウンドの再起動に大きな役割を果たしている」。
1999年に運輸相に就任、就航に大きな役割を果たした二階俊博衆院議員、元自民党幹事長は「就航に携わった者として感慨ひとしおだ。(運輸相に)就任早々、日韓閣僚懇談会で朴智元(パク・チウォン)文化体育観光部長官と会談し、日韓の航空輸送力強化の議論が始まった。この定期航空便で日韓の往来がしやすくなり、交流人口が増えたことは言うまでもない。今後も両国民が気軽に往来できるよう、関係者の一層の奮起を期待する」。
斉藤鉄夫国土交通相は「都心に近い空港同士を結ぶ特性から、両国の人的交流促進に大きく貢献してきた。両国の交流人口は2018年に1千万人を超え、就航前の3倍以上を記録した。今後も相互交流が促進され、友情が強化されるよう祈念する」。
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