
小黒会長
JRグループ協定旅館ホテル連盟東日本地域本部(JR旅ホ連東日本、渡邉宗男会長)、JR指定休憩店連盟東日本支部(JR旅ナカ倶楽部EAST、小黒曻己会長)は13日、合同総会をホテルメトロポリタンエドモント(東京・飯田橋)で開催した。両会長のあいさつのほか、JR東日本の阪本未来子執行役員営業部長によるプレゼンテーションが行われた。
冒頭、JR旅ホ連東日本の渡邉会長が「全員の知恵を集めて事を運ばないと目標は達成できない。グループ6社もそれぞれ事情が違い、30年前のスタートからやっていることも違うが、心の底では思いは同じだ」と団結を訴えた。JR旅ナカ倶楽部EASTの小黒会長は「愛称としてJR旅ナカ倶楽部EASTを使用することとなった。地域の情報交換を密にして収入の獲得に取り組むが、送客数だけに捉われず、近未来の活性化、地域の発展に貢献していきたい」と決意を述べた。
JR側からあいさつした、びゅうトラベルサービス(VTS)の髙橋弘行社長は「昨年は災害が多く、JR東日本、VTSとしても送客に影を落とした。一方、ふっこう割など早く対応でき、地域への貢献もできた。われわれのミッションは送客して地域を元気にすることだ」と昨年を振り返った。また今後について、「これからはJR東日本が行っていた宿泊仕入れを行い、製販一体を行うホールセラーとなる。また、将来の成長領域としてリアルからオンラインへと加速する。訪日の周遊を拡大するため、これまでの東南アジアへのプロモーションから、欧米、北米へのプロモーションへと変えて展開する」と方針を示した。
渡邉会長
小黒会長
「鉄道営業の考え方」坂本部長がプレゼン
プレゼンテーションでは、阪本部長が「JR東日本グループにおける鉄道営業の考えについて」をテーマに講演。鉄道営業概況については「GWは、改元メッセージ入り都区内パスなど、10連休の需要を取り込むことができ、前年同期比16%増の526万6千人と大きく伸ばした。びゅう商品もハイグレード車両『なごみ(和)伊豆の旅』が人気となるなど、同54.9%増の7万2千人と堅調だった」と説明した。
また、セグメント別として、(1)インバウンド(2)冬のごほうび(3)JRSKISKI(4)次世代の鉄道ファンづくり(5)チケットレス化の推進―の主な取り組みを紹介。
インバウンドでは、中国OTAのCtripとの戦略連携、9月に予定するデポジットなしの「Welcome Suica」で特企券機能に挑戦する。
冬のごほうびでは、「行くぜ!東北」のウェブサイトの通年掲載や、東北のグルメ、名所旧跡、自然の魅力を伝えるプロモーションを実施する。
JRSKISKIでは、従来のテレビCMに変え、SNSやウェブ広告への集中投資を主に行い、若い世代の新規獲得、リピーター化を目指す。
次世代のファンづくりとしては子ども向け体験学習ツアー「フレテミーナ」など本物の体験を追求するとともに、商品数を拡大する。また、ベビー用品を扱うコンビとの本格的な連携を開始し、公式サイトで利用可能なクーポン券の進呈などを行う。
チケットレス化の推進では、「新幹線eチケット(仮称)」を導入し、JR東海の「スマートEX」と同等の仕組みを作る。新幹線のチケットレス比率を6%から22年には50%まで引き上げる。
このほか、JR東日本が進める「変革2027」と「駅」の使命について「人口減少や少子高齢化が進み、経営環境は今後明らかに変わる。鉄道事業の在り方として、安全・安定輸送のレベルアップとともに、『目的地を創る』『駅を楽しく、魅力的に』『移動を楽しく、快適・便利に』を実現し、活発な交流を創り出したい」と語った。
阪本部長