「球磨川」の復興願い大合唱 人吉温泉女将の会が観光と防災語るシンポジウム


さとう氏作曲「球磨川」を大合唱

 熊本県の「人吉温泉女将の会さくら会」(有村政代会長=人吉温泉清流山水花あゆの里)は2月18日、「清流球磨川の観光復興と防災を語るフォーラム」を人吉市カルチャーパレスで開いた。地域住民、観光事業者、メディアなど約350人が参加。2020年の豪雨災害を踏まえ、防災と観光復興について考えるとともに、チャリティーコンサートを開催した。

 日本三大急流の一つで“暴れ川”の異名を持つ「球磨川」は、2020年7月に発生した豪雨により氾濫。ほとんどの温泉旅館が浸水するなど、人吉球磨地域に多くの被害をもたらした。

 フォーラムは災害から3年7カ月が経過し、被災した全旅館の営業再開のめどが立ったことから、地域が力強く前に進む姿を発信するために開催。地域住民50人による大合唱が行われたほか、災害経験から防災と観光復興について考えた。

 会の前半、人吉球磨地域で歌い継がれる地元の歌「球磨川」を作曲したシンガーソングライターのさとう宗幸氏が駆け付け、チャリティーコンサートを開いた。

 仙台市在住のさとう氏は、11年に発生した東日本大震災を経験したことをきっかけに、全国の被災地を回り、歌で元気を届けてきた。さとう氏の代表曲「青葉城恋唄」や、「水仙華」などを披露した後、球磨川流域の地域住民ら50人が集結し、「球磨川」を大合唱。復興を願うとともに、「球磨川とともに生きる」という思いを込めた、強い歌声を響かせた。

 後半は、人吉球磨地域の復興に取り組んできた関係者を招き、シンポジウムを開いた。冒頭あいさつで、今年3月での退任を発表した蒲島郁夫知事は、「知事に就任してから16年間、熊本の皆さまに対して努力を続けてきた。引き続き、熊本地震や豪雨災害で得られた教訓やノウハウを最大限に生かし、被災地に寄り添った支援を全力で取り組んでいく」と伝えた。

 復興状況について、熊本県南広域本部球磨地域振興局の梅川日出樹局長は、「グループ補助金活用事業者の99%が復旧完了した」と報告。国土交通省八代河川国道事務所の宗琢万所長は、堤防整備や遊水地の活用状況を説明した。

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