7月第3月曜日の「海の日」を7月20日に固定化するよう超党派の議員連盟が求めていることから、日本旅行業協会(JATA)など観光6団体は10日、ハッピーマンデー(祝日三連休)制度の維持が必要不可欠との声明を発表した。JATAの田川博己会長は「観光は今、地方創生の切り札だ。ハッピーマンデーは大都市の旅行者の地方への誘客の機会となっている。固定化には反対だ」と強く訴えた。
声明を出したのはJATAのほか、全国旅行業協会(ANTA)、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、日本旅館協会、日本観光振興協会。
東京オリンピック・パラリンピックの開会式、閉会式の交通混雑などを避けるため、2020年に限って、開会式、閉会式に合わせて「海の日」「山の日」「体育の日」を移動させるという検討が進んでいる。議員連盟は、これを容認する条件として21年以降、「海の日」を7月20日に固定するよう求めている。
観光6団体は、ハッピーマンデーの維持が必要な理由として次の3点を挙げた。(1)観光は地方創生の切り札であり、特に、ハッピーマンデーは大都市の旅行者の地方への誘客の機会となっている。(2)「働き方改革」が最重要課題と言われる中で、有給休暇の取得は半分程度にとどまっており、貴重な三連休を分断することは、休む機会をさらに奪うことになりかねない。(3)ハッピーマンデーは、653万人の署名と47都道府県849の自治体の採択により、国民運動として得られたものであり、若年層から働き世代まで国民の幅広い支持を得ている。
ANTAの有野一馬専務理事は「祝日3連休は地方に行く、家族で行くためには必要不可欠だ。この制度は20年経ており、国民の生活にも定着している」と制度の継続を訴えた。日本ホテル協会の福内直之専務理事は「なかなか有給休暇が取りにくい中、家族そろって宿泊を伴う、そして、距離のある旅行に出掛けるいい機会を提供している」と強調。日本旅館協会の佐藤英之専務理事は「祝日3連休がなくなると地方の宿泊者が減る。地方創生にもマイナスの効果しかない」と主張した。