農林水産省と観光庁が実施している「農林漁家民宿おかあさん100選」の第3回選考がこのほど行われ、新たに52人が選定された。農林漁業の体験プログラムや地場食材を生かした郷土料理などを提供する民宿のほか、外国人旅行者の受け入れに積極的な民宿などから選ばれている。過去の選考を含めて「おかあさん」は合計100人になった。
地域のリーダーとして活躍する民宿を営む女性らを選定し、その経営手法などを紹介することで、民宿の普及、サービス向上などを推進するのが狙い。2007年度から毎年募集を行い、有識者らでつくる第三者委員会が選考を行ってきた。
今回選ばれたのは、羊牧場で羊毛刈り体験ができる「ファームイントント」(北海道・美深町)の柳生貴子さん、そばの作付けから麺製造までを手がけて各種体験メニューを提供している「そばの里」(福島・会津坂下町)の藤川智子さん、薪割りや焚き付けを含めて五右衛門風呂の入浴体験ができる「農家民宿具座」(佐賀・佐賀市)の藤瀬みどりさんら。
外国人の受け入れに積極的な民宿も。家族が英語とフランス語の会話に対応でき、自家製の野菜や米の食事でもてなす「オーガニックキッチン無何有の郷」(大分・杵築市)の原美智子さん。明治10年に建てられた蔵座敷を改築した宿で、先祖伝来の漆器で郷土食を出す「有賀の里たかまった」(宮城・栗原市)の千葉靜子さんらだ。
選ばれたおかあさんらは、地域のグリーンツーリズム推進協議会で活動したり、地域の民宿とメニューづくりの研修を開いたりするなど、地域の中でリーダー的な存在となっている。