
東急リゾーツ&ステイは17日、「東急ステイ飛騨高山 結の湯」が高山市景観デザイン賞 優秀賞を受賞したと発表した。
高山市景観デザイン賞は、恵まれた自然と、伝統的な町並や周囲の景観と調和がとれた高山にふさわしい建造物を創造し、美しい景観と潤いのあるまちづくりを推進するため実施されており、「周辺の自然的景観と市街地景観によく調和し地域の美観が向上しているか」「伝統的な町並を維持しているか」また「将来のまちづくりをリードし、新しい都市景観の創造に資しているか」を評価しています。
当ホテルの外観デザインは、高山の玄関口として重要な駅前の景観を既存施設と調和しながら形成しており、伝統的な街並みや伝統工芸で知られる飛騨高山らしさをイメージしたデザイン要素を現代的に表現しております。落ち着いた雰囲気を醸しながらも、通りに面して窓を広く取り、街に対してオープンで開かれたホテルとしてゲストを迎え入れます。地域と連携して飛騨高山の魅力を発信するホテルとして街に溶け込み、そこに暮らす人々にも親しんでいただけるように配慮しました。
<高山市講評コメント>
高山駅乗鞍口に新しく建てられた大型ホテルで、駅周辺に華やぎをもたらす建築物です。高山の伝統的なデザインを用いて壁面全体を柔らかくし、色も周辺の建築物と調和させ、優美さと繊細さを兼ね備えた新しい景観としての「和」を感じる造りとしています。夜間の照明による演出は秀でており、駅周辺地区にふさわしい美しい景観を創出しています。(高山市 都市政策部 建築住宅課)
■ 外観デザインコンセプト
全体外観(夜)
低層部外観(夜)
低層階と上層階で異なるデザイン
1・2 階は、道を歩いている人が見た時に高山らしさを感じられるように、黒い木材や庇をデザインに用いました。上層階には、高山駅前の空間全体の調和を意識して、落ち着いた色味を採用しています。
フロアごとにずらして窓を配置
窓のデザインには和の要素を取り入れ、障子がずれた感じを表現するためにフロアごとに窓の配置を少しずつ変えています。外観が無機質な印象を与えないように、動きを演出する効果があります。
大きな窓を活かした照明演出
通りに面して大きな窓を設置し、一部の部屋は窓のそばに照明を設置しました。夜になると窓に映る照明や漏れる光の温もりが、人の生活の営みを伝えます。
■ 観光型の”新・東急ステイ”
庭園大浴場(檜の湯)
庭園大浴場(瓢箪の湯)
当ホテルは、「旅人と飛騨高山がつながるホテル」をコンセプトとした、旧来とは異なる観光型の東急ステイです。従来の東急ステイの快適性や長期滞在が可能な「暮らすように泊まる」ことのできる機能はそのままに、地元のご当地料理を取り入れた夕食の提供や檜と石造りの庭園温泉大浴場、北アルプスの絶景を望む特別室など、至福の体験を提供します。高山の魅力に触れる事ができ、この町での滞在が「ちょっと特別」に、そしてお土産話を持って帰りたくなる。そんなホテルとなっています。
■ 地元連携「工房プロジェクト」
当ホテルでは「工房プロジェクト」と題し、ホテルの内装、什器、おみやげの一部を、地域工房とのコラボレーションで制作しています。ホテルに宿泊する方と、この地域の風景をつくってきた人々をつなげることができないか、という思いからスタートしました。
3~8 階の各階には、各工房をテーマとしたギャラリースペースを設けており、宿泊のお客様が自由にご覧いただくことができます。備品には飛騨木工や飛騨さしこ、飛騨春慶など高山の伝統工芸を使用しております。また、1階では高山で作られたものだけを置いたショップを備え、滞在中、館内の随所に配置された工芸に出会うことができます。
今回プロジェクトの協力をお願いした工房は、いずれも材料から自分たちの手で作り、製品に加工し、世の中に流通させています。なかには、自然の恵みからつくられるものも多く、流通量が極めて限定的なものや、制作に1年を要するものもあります。私たちは、そういった文化を守っている人々の営みこそが飛騨の価値だと捉えています。工房と旅人をつなげるこのプロジェクトで、観光では見えにくい人々の営みに触れられると考えております。
(プロジェクト動画 https://youtube/UHiDgExzq6U)
<東急ステイ飛騨高山 結の湯(2020年4月1日開業)物件概要>
所在:岐阜県高山市花里町4丁目301番
交通:JR高山駅東口 徒歩2分
敷地面積:2,097.44㎡(634.48坪)
構造規模:鉄骨造 地上9階建
延床面積:9,399.84㎡(2,843.45坪)
客室数:212室