
西村氏の講演
「人気温泉旅館ホテル250選」(観光経済新聞社主催)入選旅館の経営者有志らで組織する「日本の宿懇話会」(佐藤義正代表世話人=岩手県・湯守ホテル大観)の若手経営者委員会は14日、京都市の柊家旅館で第2回会合を開き、同委の名称を「日本の宿文化研究会」に決めた。座長には瀧康洋氏(岐阜県・水明館)が就任。会場となった柊家旅館のもてなしや、京都市の観光の現状を学ぶ勉強会も開いた。
若手経営者による委員会は、旅館文化を継承、発展させるための研究や提言を行う組織として今年8月発足。懇話会メンバーから推薦された12人が参加している。
今回は委員会の名称などを決めたほか、日本の伝統文化への理解を深める研修の一環として、2氏の講演を聞いた。講師は柊家旅館女将の西村明美氏と京都市産業観光局観光MICE推進室観光戦略担当部長の福原和弥氏。
西村氏は1818(文政元)年創業、川端康成やチャーリー・チャップリンなど数々の有名人を迎えてきた宿の歴史を説明。「『お客さま』『出入り業者』『従業員』『家族』『信用』の五つが大切」「『来者如帰』(来た人にわが家に帰って来たようにくつろいでもらう)の気持ちを基本にサービスの質を高める努力をしている」などと説いた。
福原氏は「持続可能で満足度の高い国際文化観光都市を目指して」をテーマに、旅館・ホテルの従業員ら対象の歴史・文化体験研修や、外国人観光客受け入れ促進セミナーなど、同市観光の質の向上に向けた取り組みを進めている現状を述べた。
研究会のメンバーは次の各氏(敬称略)。
座長=瀧康洋(岐阜県・水明館)▽副座長=佐藤康(岩手県・湯守ホテル大観)、佐藤勘三郎(宮城県・伝承千年の宿佐勘)▽委員=大西希(北海道・あかん遊久の里鶴雅)、山口裕司(山形県・ほほえみの宿滝の湯)、武田和香子(千葉県・鴨川館)、矢崎道紀(山梨県・下部ホテル)、加藤晃太(静岡県・稲取銀水荘)、城島舞(京都府・柊家旅館)、奥村勇太(愛媛県・大和屋本店)、豊田桐子(長崎県・ゆやど雲仙新湯)、下竹原利彦(鹿児島県・指宿白水館)
西村氏の講演