帝国データバンクはこのほど、人手不足に関する今年4月時点の企業の動向調査を行った。企業の人手不足感は新型コロナウイルスの影響で急激に低下。「旅館・ホテル」が、正社員、非正社員とも従業員過剰業種の1位となった。
正社員の人手不足を感じている企業は31.0%(前年同月比19.3ポイント減)となり、4月としては4年ぶりに4割を下回り、前月比でも11.1ポイント減。また、正社員の人手が「過剰」とした企業は21.9%(同13.5ポイント増)となった。
旅館・ホテルは、正社員の従業員が過剰とする割合が62.5%で、全業種でも突出して高くなった。インバウンド需要に支えられて人手不足が続いていたが、コロナウイルス感染拡大の影響を受けて人手が過剰に転じた。「飲食店」が48.2%、「娯楽サービス」が43.9%で続く。訪日外国人の減少や外出自粛の影響により、サービス業分野で人手が過剰となっている現況が明らかとなった。
非正社員の従業員が過剰としている割合でも、旅館・ホテルが69.0%で全業種の中で最も高く、次いで飲食店が56.4%で、正社員と同様の傾向が見られた。
人手不足割合が減少する業種が多い中、テレワークをはじめとする在宅業務需要の高まりに伴って、「電気通信」は従業員が不足している割合が、正社員で45.5%(同9.1ポイント増)、非正社員で44.4%(同14.4ポイント増)と、大きく増加した。