日本旅行業協会(JATA)による「国際観光フォーラム・旅博2011」が9月29日から10月2日まで東京ビッグサイトで開かれた。29日の基調講演では金井耿JATA会長が旅行業の課題について持論を述べ、「お客さまが求める旅をプロデュースする旅行業」への転換を強く訴えた。後半3日間の旅行イベント「旅博」には前回を6千人上回る過去最大の11万7千人が来場し、にぎわいを見せた。
旅行市場拡大に向けて議論する「国際観光フォーラム」は前半の2日間。航空会社と旅行会社とのパートナーシップ、インバウンドの早期回復などのテーマでシンポジウムが開催された。
基調講演で金井会長は、「お客さまサイドの情報量が増えたことによって、同業間競争にプラスして、消費者と旅行業者の間の競争が今、存在する。プロとアマが同じレベルで競争することは本来、ありえない話。プロの力が足りない」と問題点を指摘。旅行業は素材をかき集めて単に組み合わせる仕事から脱却し、「お客さまが求める旅をプロデュースして作り出していくべきだ」と強調。その方法は原点回帰にあり、「人を育て、鍛え、そして実行させ、実践させていくという基本のステップをもう一度評価し直す時期だ」と語った。
「旅は世界を元気にする」をテーマとした旅博は、出展も144の国・地域からの986小間と過去最大。今回は海外旅行だけでなく、国内旅行もゾーンを拡大して大いにアピールした。
国内ゾーンには東北観光推進機構や福島市といった東北はじめ日本各地の観光行政・団体、企業などが出展し、元気な東北や日本を来場者に印象付けた。JATAも宿泊拡大キャンペーン「もう一泊、もう一度」のPRブースを設置した。
盛況の旅博会場