ハンズアウトドアリゾート(横浜市)が運営する「グランピングヴィラハンズ河口湖」(山梨県富士河口湖町)は、個人、小グループ、法人等の団体に加え、修学旅行などを含む教育関連ニーズへの対応にも力を注いでいる。同施設を教育旅行で使用するメリットや意義、生徒たちの反応などについて、東京都八王子市の通信制高校「星瑳国際高等学校八王子学習センター」のセンター長、平澤晶子先生に聞いた。
――先生と生徒含めて何人で、何日間利用しましたか。
「2泊3日で、50人ほどで利用しました」
――なぜグランピングヴィラを利用しようと思いましたか。
「コロナ禍で行き先が限られる中で、『生徒たちに少しぜいたくな大人の体験』をさせてあげたいと思いました。飯盒炊爨(はんごうすいさん)など一般の屋外キャンプ体験とは少し異なる、自然の中でのちょっと豪華な非日常を過ごしてほしいと考え、同施設を検討しました」
――同施設の魅力は。
「スタッフの皆さんの対応が素晴らしいです。一般的に『生徒の管理は学校側で』という施設が多いのですが、ハンズのスタッフさんは学校の教員と一緒になって生徒たちを見て下さりました。生徒を安心して預けたい学校側として、この対応は非常に助かります」
「受け入れ前の相談、準備の段階から、学校側の要望をいろいろと聞きながら受け入れ態勢を整えてもらえたのも良かったです。食事のメニューなども教育旅行用のものを用意して下さるなど、過ごしやすい環境づくりに注力してもらえました」
「基本的に生徒たちは各棟で過ごすのですが、スタッフの皆さんがしっかり生徒の様子に目を配って下さります。また、生徒一人一人を『1人のひと』と捉えて、親身になって接して下さる点も魅力的だと思います。現地スタッフの皆さんも学校側のスタッフになってくれたように感じるほどで、生徒、教員、スタッフの皆さんが一つになって過ごせた印象です」
――利用時の生徒たちの様子は。
「普段は味わえない非日常体験をしっかり堪能できていたようです。生徒から集めたアンケートを見ても『大満足』の声がほとんどでした。『家族旅行では体験できない時間を過ごせた』『ジャグジーのお風呂が良かった』『まき割り体験が良かった』など、各生徒がそれぞれの楽しみ方をしていたようです。特に『ゆったり過ごせて良かった』という声が共通して多かったです」
――教育旅行でグランピング宿泊体験等を検討している全国の先生方へ。
「ハンズさんでお世話になって、行程が決まっている従来型の教育旅行とは異なる、『時間的に余裕をもって過ごす教育旅行』のメリットを感じました。今回、時間が豊富にある中で、生徒たちは自分たちの過ごし方を自分たちで考え、実践していたようです。このような生徒主体で過ごす教旅を実施する際に、グランピングは一つの選択肢になり得ると思いますし、その環境がハンズさんの施設にはしっかり整っていました」
京王観光八王子支店営業担当の村松諒さんは同施設のセールスポイントとして、平澤先生と同様「きめ細かいスタッフの心遣い」をはじめ、「富士山を一望できる絶景スポット」「豊富なアクティビティ体験」「ジャグジーを含めた快適な空間」「本格的なBBQ料理」の五つを挙げた。「教育旅行×グランピング」の現況と今後について村松さんは、「教旅とグランピングの掛け合わせは、現在まだまだ浸透していません。しかしながら、コロナ禍で外出が制限される中でも、富士山が一望できるグランピング施設での非日常の体験は、自然と触れ合える絶好の機会となります。そのような体験を通じ、都会に戻ってからも携帯電話やSNSに振り回されることなく、自然との触れ合いを大事にしてくれる若い方が増えてくれるとうれしいですね」と思いを述べた。
ハンズアウトドアリゾートの永島未浪さんは、「ヴィラは80人程度まで収容可能。すでに法人を含む多くの団体のお客さまにもご利用いただいており、教育旅行のお客さまにも引き続き柔軟に対応し、積極的に受け入れていきたいです」と意気込む。
同施設の詳細や予約受け付け、問い合わせは公式ホームページ(https://gv-hanz.jp/)、TEL0555(72)8282。
ヴィラの内装
ヴィラの全景。富士山を借景に、宿泊者はヴィラの棟内やエリア内で思い思いの時間を過ごす