日本政策金融公庫はこのほど、全国中小企業動向調査の今年1~3月期分を公表した。同期の業況判断DIは、小企業(原則従業者20人未満)、中小企業(原則従業員20人以上)ともに前期(昨年10~12月期)から上昇するも、業種別では宿泊・飲食業が大きく低下した。同期の景況について公庫は、小企業、中小企業ともに「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある」と、前期の判断を据え置いた。
小企業のDIは、調査対象企業の業況が「良い」と回答した企業割合から「悪い」と回答した企業割合を引いた値。
全業種計は前期比0.3ポイント増のマイナス55.6と、3期連続で上昇した。ただ、上昇幅は前期(7.4ポイント増)、前々期(10.4ポイント増)に比べ縮小している。
業種別では飲食店・宿泊業が8.0ポイント減のマイナス84.4。非製造業7業種の中で卸売業、小売業、建設業を含め4業種が低下したが、この中で最も低下幅が大きかった。
サービス業(3.9ポイント増のマイナス54.7)、運輸業(6.3ポイント増のマイナス59.0)はマイナス水準ながら上昇した。
来期(今年4~6月期)の見通しは、全業種計が今期比1.0ポイント減のマイナス56.6。業種別では、飲食店・宿泊業が同9.1ポイント増のマイナス75.3。
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中小企業のDIは、調査対象企業の業況が前年同期比で好転と回答した企業割合から悪化と回答した企業割合を引いた値(季節調整値)。
全業種計は前期比14.5ポイント増のマイナス28.1。小企業と同様、3期連続で上昇した。
業種別では、宿泊・飲食サービス業が10.4ポイント減のマイナス74.9。全29業種(製造業19業種、非製造業10業種)のうち、低下は宿泊・飲食サービス業のみだった。
来期の見通しは、全業種計が今期比30.9ポイント増の2.8と、プラス水準に回復の見通し。業種別では、宿泊・飲食サービス業もプラス水準を見込む。