全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)のシルバースター部会は4月から、還暦など人生の節目を迎えた家族を持つ人などを対象に宿泊招待キャンペーンを始めた。宿で配布するアンケートの回答者の中から、抽選で還暦の場合は60円、喜寿の場合は77円と、年齢と同額の特別料金で泊まれる優待券をプレゼントする。全旅連では、「日本人が大切にしてきた家族や親子の絆を旅館での時間を通して思い出してほしい」と、キャンペーンの意義を強調している。
キャンペーンタイトルは「『還暦等祝いは家族で』感謝の気持ちを全国の旅館が応援します」。
4〜8月の5カ月間、全国のシルバースター登録施設にアンケート葉書を置き、「これまでに、家族の長寿のお祝いを、旅館・ホテルなどに宿泊して行ったことはありますか」などの質問に答えてもらう。回答は葉書の送付ほか、全旅連のホームページ上からでも可能。回答者の中から抽選で毎月20人、合計100人を、シルバースターの宿に特別料金で招待する。
キャンペーンは回答者の家族または本人が還暦、古希、喜寿、米寿など、高齢で節目の年を迎えた人が対象。年齢と同額の料金で泊まれる優待券をプレゼントする。全旅連では優待券を利用した家族での旅行を想定しており、例えば当選者の家族が還暦の場合、当選者本人は通常料金だが、還暦を迎えた家族の人は60円で泊まれる。
キャンペーンは、家族旅行の誘発が狙い。「近年、家族、親子の疎遠が原因で引き起こされる悲しい事件を耳にすることが増えた。シルバースター部会ではこのような事態を憂慮し、業界として何か貢献できることはないか」と考え、今年度の社会貢献事業の一環として始めた。
全旅連のシルバースター部会は、高齢者や障害者など、すべての人が利用しやすい旅館・ホテルの普及を目指す組織。ハード、ソフトで人に優しい配慮を行っている旅館・ホテルをシルバースター登録施設と認定し、現在、全国約1千軒が登録されている。
キャンペーンの応募葉書